フォローしませんか?
シェア
遅い春 半熟の思想ではじまる なまぬるい朝の 匂い 右目が左目でないことを 右手が左手…
こいのしずく くちうつしてくれたつめたいしずくが のどのおくにしみいると むねいっぱい…
わたしたちの四季 春 わたしたちは花の下で出会い 青葉の陰でことばをふたつにわけあった…
わたしはだあれ? あなたはだあれとたずねることは わたしはだあれとといかえすこと そう…
あなたはだあれ? アトリエの片隅で なんとなく作りはじめた頭部 モデルもいないし 誰を…
ご無沙汰しています 折にふれ、心にふれ、 どうしているだろうと思ってきたけれど…
月曜 それは倦怠のうた 自慰に厭きた朝のチェスは ナイトをつまみ投げ すぐに勝負がついてしまう 昼前には聞こえる 郵便屋さんが郵便受けを素通りしてゆく なじみの音 を 合図の遅い朝食に 一週間の酔いが戻ってくる はるなつあきふゆ いつだって日曜の次は月曜日 あたりまえの街に出ると 空だけはやけに明るい 歩き回って一週間分の食料をかき集めよう まだ食べることだけは厭にならないから 愛おしい人たちの顔さえ ひとからげに忘れてしまっても レトルトのパックを開ける時
月下 一年に三センチずつ月が遠ざかって行く と 計算した人がいた 大昔、すばらしく大き…
航海 わたしがひとつ嘘をついて あなたが答えを嘘で返して ほんとうの心をみつけたけれど…