被疑侵害品が部品である場合の販売代理店との補償交渉

パテント・トロールから自社製品の特許侵害を理由に米国で提訴されたが、特許の対象が自社製品に搭載されている部品であるため、その部品の販売代理店を通じて部品メーカーに訴訟対応への協力を求めたが、米国訴訟のDiscoveryを懸念し、自分たちの製品(部品)は対象特許を侵害していないと繰り返すばかりで、非侵害の技術的根拠の提供等に積極的に協力してくれないことがあります。

この場合、やむを得ないので、知財紛争の補償責任について契約を締結している販売代理店に対して、パテント・トロールと和解した場合の和解金と解決までに要した弁護士費用等を負担することの確約を求めても、部品メーカーが非侵害と主張している以上、補償には応じられないし、部品メーカーが支払いに応じると認めている金額以上の補償を独自にすることはできない、と言われることがあります。

では、形だけでも訴訟を戦って敗訴判決を受けてしまえば、さすがに補償に応じてくれるのかというと、そこまで行くと発生する弁護士費用が莫大過ぎて、補償交渉が難航するであろうことは容易に予測できます。

このような場合の100点満点の解決策はないと思いますが、まずはパテント・トロールと早期に(なるべく自社に有利な条件で)和解をして出血を止めたうえで、販売代理店や部品メーカーと補償交渉をして行く以外に手はないように思っています。

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