プランニングポーカーと実行時の掛け声について

プランニングポーカー is 何

スクラムにおけるプランニングの手法の1つ。
「見積の手法」と誤解している人も多いが、その名の通りプランニングの手法です。
プランニングには見積だけでなく、「設計、実装方針の確定」「テストはどこまで書くべきか」「スコープや完了条件、Readyの確定」「リスク検討」「ナレッジシェア」など多岐のものが含まれます。

それだけ幅広くやるからこそ、当然最初の頃のプランニングポーカーは時間がかかります。時間はかかりますが、ちゃんとやれば「あとは実作業に入るだけ」の状態になります。
逆にプランニングポーカーを行わないと
1.マネージャーと頭出し、設計とレビュー、実装後の手戻りなどで作業が細切れに多数発生すること
2.カンバン上のタスクが誰でも実行可能な状態にならず属人的になります
という伝統的な開発手法によく見る問題が発生します。

プランニングポーカーの細かい点についてはこの記事の本質ではないので割愛します。

プランニングポーカーの実行について

プランニングポーカーは我々のチームでは三回ポイントの提示を行います。
一通り説明が済んだあと、メンバーが自分の見積ポイントを提示します。結果が違えば最も大きいポイントと最も小さいポイントを提示したメンバーがその見積もりの根拠を示します。
お互いが見積もりと根拠を示すことで、差分から、各人が見えている物の差分を知ることができます。その差分について議論する過程で見積と「設計、実装方針の確定」「テストはどこまで書くべきか」「スコープや完了条件、Readyの確定」「リスク検討」「ナレッジシェア」が行われると私は考えています。

プランニングの過程において、各人が自分の見積ポイントを開示するタイミングは同一でないといけません。
そうでないと先に出した人の数字に他の人が引きずられるからです。
プランニングポーカーの目的は同一の数字を出すことではなく、議論を経てプランニングする点にあるので他者の意見に引きずられることは好ましくありません。

また全員が自分が出すポイントを決断したタイミングで開示される必要があります。ですので「私は何ポイントにするか決めましたよ」「私はまだ何ポイントにするか考え中です」が誰の目にもわかる形でメンバーに示される必要があります。

スクラムマスターがプランニングポーカーの見積を開示する順序としては以下の通りです。
1. 一通り説明を終えたあと各メンバーにポイントの見積開始するよう指示
2. 見積を決めたメンバーは一枚ポイントが書かれたカードを選び、テーブルに伏せる
3. テーブルにカードを伏せていないメンバーは考え中なので、全員がカードを伏せるまで待つ
4. 全員に見積ポイントを決めたか確認
5. 全員がカードを伏せたら全員にカードを反転させ一斉にオープンするよう指示
これで全員が見積ポイントを明らかにします。

私のチームでは、この手順の時にうまく同期をするために以下の掛け声をしています。あるスタイルを採用したところ好評だったので私のチームの慣例となりました。

1. 一通り説明を終えたあと各メンバーにポイントの見積開始するよう指示
「さあ張った張った。丁か半か、丁か半か」
2. 見積を決めたメンバーは一枚ポイントが書かれたカードを選び、テーブルに伏せる
(ここは適当に台詞を挟んで決定を促す)
3. テーブルにカードを伏せていないメンバーは考え中なので、全員がカードを伏せるまで待つ
(ここは適当に台詞を挟んで決定を促す)
4. 全員に見積ポイントを決めたか確認
「どなたさんもよろしうござんすか!」
5. 全員がカードを伏せたら全員にカードを反転させ一斉にオープンするよう指示
「それでは参ります!(ここでカードオープン)」

何かのスタイルに似ていますね。
そうです。博徒です。
ちなみに博徒は賭博の運営スタッフのことなのでギャンブラーのことではありません。

この博徒スタイルのプランニングポーカーは社内のアジャイル有志の中でも有名です。我がチームのカンバンとプランニングポーカーのレベルの高さから社内のスクラムチームからも注目されています。
ただしこの博徒スタイルのプランニングポーカーを採用したチームは他におりません。とても不思議ですね




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