旅する介護福祉士(4)
生まれて初めての被災地でのボランティア。しかも、自分の専門を活かしての介護業務。ぼくにとって、この短い旅がかけがえのない経験になったことは言うまでもない。
旅を終えたぼくは、金沢で買ってきたお土産をもってクロスハートの勤務へと戻った。そして、同僚から質問をうけるままに、休憩時間などにしばらく土産話をしたのだった。
自分も行きたかったという同僚もいれば、そういうのに一歩踏み出せないという同僚もいた。いろんな感じ方考え方がありながらも、少なからず刺激になったようだった。
今回のぼくの経験に興味をもってくれたのは同僚たちばかりではなかった。
「能登にいったんだろ、テレビに映らないかずっと見てたんだよ」
そう声をかけてくれた男性利用者の方がいた。その頃は、まだ能登の復興について頻繁に報道されていて、ニュース映像にぼくが映らないか気にしていたというのだ。
そして、テレビで杉良太郎さんと伍代夏子さんのご夫婦が被災地で炊き出し活動をしたと伝えていたが、現地でご両人に逢わなかったかと…(笑)
その男性利用者は、ぼくの経験を介在して、テレビに映る社会的事件が身近に感じられたのだろうと思った。
それにしても、そんな風に気にかけてくださっていたのかと嬉しくなった。ぼくひとりの個人的な経験ではあったが、周囲の方々にとっても間接的な経験になるのだなと思った。
「旅する介護福祉士」には、施設の外で経験したことを持ち帰って職場に活かすという効果もあるという側面を改めて感じた。
旅というほどではないが、日頃ぼくはクロスハートで週3の非常勤で働らく一方で、ワークシェアリングアプリ「カイテク」や「ユーケア」などを活用して、県下の様々な施設で働いている。
行った先々で得た経験、多くはレクのアイデアだったり、その施設独自の工夫だったりだが、そこで得たものをクロスハートに持ち帰ることも少なくない。
また、自分の得意とする紙芝居なども、上演する機会も多く、スキルの上達に役立っていると思っている。なによりも、相手を変えてその都度空気を読むという経験が大きい。
旅から得た経験は、有形無形にクロスハートにフィードバックされるというわけである。そんなワークスタイルがぼくは気にいっている。
というわけで、これからも介護福祉士のぼくの旅は続く。
旅する介護福祉士ぎんちゃん U^.^U
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