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習作1(その7):暮れ時

短文を書きました。小説の一項になるにはどうすればよいかアドバイスをください。

暮れ時

先日ご応募いただきました求人につきまして
大変残念ながら今回はご希望に添えない結果となりました。
何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。

転職サイトは応募は簡単だ。
履歴書も職務経歴書も標準で登録されていて、応募ボタンを押すと仲介業者に連絡が行く。
応募者が志望動機を書くことはない。
仲介業者が履歴書や職務経歴書を見ているかどうかさえ分からない。
翌日には返ってくる通知メールは、同じ文面だ。
ご希望に添えないメールが来るたびに、ショックを受ける。
すり減ったメンタルの電池残量はさらに減る。
心がすり減る。
若い人は次があると思えるかもしれない。年齢を重ねてしまった人には重い。
何十通も来るご希望に添えないメールに押しつぶされる。
就職できないなら、自分でやったらという人もいる。
自分でやれるくらいなら、そもそもこんな状況になっていない。
フランチャイズビジネスなら、保証金さえあれば始められるという人もいる。私がやったら、フランチャイズもすぐにつぶれてしまうだろう。
跡継ぎがない会社を引き継いだらいいという人もいる。
会社はただでは引き継げない。株式を買い取らなくてはならない。
もっと若いうちに、自分の人生についてよく考えておくべきだった。
よく考えていないのはほかの人ではない、自分だった。
人生は暮れる。
暮れると真っ暗だ。
そこで歩いていくのは怖い。
足のおろし先も見えない。
ちょっとおろすと、お断りを言われる。
これには、心が痛む。




読んでいただけると嬉しいです。日本が元気になる記事を書いていきます。