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習作1(その11):週末

短文を書きました。小説の一項になるにはどうすればよいかアドバイスをください。

週末

世間の人は、週末は楽しいのかな。
マラソン大会に出る人、昼まで寝ている人、海までドライブに行く人。読書をする人。普段会わない人に会う人。家族と再会する人。
職探しをする身分になると、週末はとても気分が滅入る。
転職サイトも、転職エージェントも週末は何も言ってこなくなる。転職サイトからはご希望に沿えませんメールしか来ないし、転職エージェントにお願いしても、案件が出てきましたらご連絡しますと言ってくるだけなのだが。週末は当てどなくもがくことさえ出来なくなる。
彼らは週末はお休みしているのだ。こちらはずっとお休みしているから、わざわざ週末に休む必要はない。1日でも早く仕事にたどり着きたい。それなのに、週末は、だれも、仕事の話をしてこない。
あまりに暇で、テレビを見てしまうと、さらに気が滅入る。どっちが勝っても自分には何の得もない、スポーツの中継や、見ていても何も得るものがないバラエティー番組を見てしまうからだ。これらは明らかに時間の浪費だ。こんなことに時間を使うくらいなら、ほかにすることがないのかと、自分を責めてしまう。
職探し人には、やることがないのだ。
週中(しゅうなか)に頑張って働いている人は、週末に息抜きをしたいだろう。アクティブなことをするか、だらっとするか、週中にはできないことをする。職探し人は週中も時間がたくさんある。何でもできる。何でもできるのに、お金を掛けないように何もしないで過ごすのだ。
一番お金がかかるのは飲み会だ。だから極力いかない。映画に行けばお金がかかる。本を買ってもお金がかかる。
お金がかからないのは動画だ。何の価値もないが、youtubeやtiktok、Line動画、Facebook動画を見てしまう。30分くらいすぐ経ってしまう。これに勝る無駄な時間の使い方はない。
散歩も金がかからない。いつの間にか、自分用にカスタマイズされてしまうニュースは、散歩の効用に関する記事ばかりが出てくる。
散歩は、おおざっぱに1日1万歩を超えると、体によく、寿命を延ばすと言われてきた。最近は、歩数よりも、心肺に適度な負荷をかける歩き方が良いとされる。大股で、早いペースで歩くのが良いという。歩数は2500歩でも効果があるとされる。
散歩には、食後の血糖値スパイクを抑える効果もあり、毎食後の20分程度の散歩が血管の老化を防ぐらしい。
職探し人は、散歩の記事ばかり見て、散歩健康法の専門家になっていく。
週末の職探し人には誰からも声がかからない。テレビもスマホも無駄を増やすばかり。だから、散歩の時間が長くなる。そして職探し人の体は、さらに健康になっていく。心は痛んでゆくが。


読んでいただけると嬉しいです。日本が元気になる記事を書いていきます。