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習作1(その2):やっぱり寒い


やっぱり寒い

でも、今日は、入ってしまおう。ちょうど、一軒、目に入った。路地の入口に、白地に黒文字の立て看板が出ていた。「ラーメン『じか』」とある。路地に入っていくと、『じか』があった。引き戸を開けて入ると、海鮮出しのにおいだろうか、昆布やカツオのにおいがする。カウンターの席に座って、店の中を見渡した。殺風景で何もない店だった。ただ、食をそそる出汁の香りが店の空気を埋め尽くしていた。店の中には誰もいない。次の瞬間、目の前が真っ暗になった。

気が付くと、私は椅子に座っていた。天井はドームのようになっていて普通の部屋ではないことがわかる。目の前の大きな扉が開いて4人の男が入ってきた。みな黒いマントのようなガウンを着ている。なんであんな怖い顔をしているのだろう。右から二人目の男が、「高裁判決を破棄し、高裁へ差し戻す。」という。「コウサイ?」

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