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枡野と短歌の話のときの事前メモ

「枡野と短歌の話」の第2回にゲストとして出演させていただいた際、事前に「こんなことを話せばいいのかな……」とレジュメというか、メモを作っていた。話すことに詰まったら、ここに立ち戻ろう、というお守りみたいな感じでEvernoteに保存していったけれど、結局使わなかったな……。

ネタバレと言えば、ネタバレなところもあるけど、トークはライブなので「何を話しているか」と同等以上に「どんなふうに話しているか」が大事だと思ってて、これを読んでからトークのアーカイブを観ても何も減らないと思ったから公開します。メモだから言葉足らずのところや尻切れトンボなところもあるけれど、そのままアップします。

これを読んで興味が湧いた方は、まだアーカイブが観られるのでぜひ。

下記有料マガジン(770円)をご購入いただくと観られます。

もう観ていただいた方も「こんな準備をしていて、あの感じなのか……」と愕然としていただければ幸いです。

▼ちゅ~る袋つき『猫のいる家に帰りたい』

●『猫のいる家に帰りたい』の説明
半年に1回出る『ネコまる』という猫写真投稿雑誌の13年間の連載+『猫びより』3年間の連載をまとめた「短歌+エッセイ+イラスト」が50編と三十首連作が1つ収録されている。

●ちゅ~る袋について

▼『三十一筆箋 −猫−』

●短歌は「一首で独立して読まれる前提」で作っているのに、読まれる段になって「本」という形式の都合(ページ数とか連続性とか)に合わせるのってなんだか本末転倒であるという疑問。

●本である必然性がない場合、「何を作ろうか」は「どう読まれたいか」ということ。

▼『これから猫を飼う人に伝えたい10のこと』の話

●保護猫シェルターでの展示から生まれた冊子で、「保護猫を飼うこと」への理解が進めばいいな、と書いたものなので、ちょっと異色。
保護猫譲渡活動をされている人が、譲渡する際に冊子を渡してくれたり、説明の際に使ったり、獣医師さんが使ってくれたりした。(同じことを言うのでも、医者が言うときつく感じるようなことが目線が低いところで書かれてて重宝するらしい)

▼五行歌の話

●『ストライプ』は穂村さん、東さんの『回転ドアは、順番に』を参考にしている。

●本文ページの組版は自分でやった。

●伊勢悟史問題
詩形に寄与しなければいけない、詩形に殉ずるみたいな意識が全然ない。それはむしろ冒涜に思える。

▼かんたん短歌blogや『ドラえもん短歌』の話

●投稿された短歌は全部読んでいた。

●佐々木あららや志井一、木村比呂、伊勢谷小枝子にはまあまあ嫉妬していた。自分はいつも二番手集団の先頭みたいなイメージ。

●いま読み返すと枡野さんのコメントが結構手厳しくて笑う。

●元々「かんたん短歌」の決まりごと「あ:あくまでも57577で」「い:いつもの言葉づかいで」「う:うそをついてでもおもしろく」とかがすごく腑に落ちたから枡野さんの指摘や評が至極まっとうに思えた。あと枡野さんには「(好き嫌いとは別に)厳然とした良い悪いの『ライン』がある」ように思えて、フェアな印象だった。

●『ドラえもん短歌』は狂い咲きだった。

▼「ちやほや論」「僕おも」の話

●佐々木あららくんとのポッドキャストは僕の単身赴任や体調不良で何度か中断しながらもう14年くらいやっている(毎週だいたい月曜日配信)

●そのポッドキャストで「仁尾智(猫歌人)・佐々木あらら(エロ歌人)による毎週更新・ぐだぐだポッドキャスティング」という惹句をあららくんが付けていたところから拝借したから「「猫歌人」の名付け親は佐々木あらら。ついでにいうと「毎朝、通勤している人とかが見れるような決まった時間に何かツイートするといいんじゃない?」とあららくんに言われてやってみているのがこたつ内でくつろぐ猫の様子を毎朝8時にツイートする「ネコタツ」。あららくんは割と「仁尾智」を作っている人な感じ。

▼エア・リクエスト曲

●NEWS 「UR not alone」
マイケル・ジャクソン、倖田來未、杏里など同名曲多数なのですが「あなたはひとりじゃない(わたしがそばにいる)」という意味の歌詞であるのに対して、NEWSのこの歌は、作詞作曲がGReeeeNで曲調もそこそこ暑苦しい感じなのだけれど、歌詞が「あなたはひとりじゃない。昨日までの自分が見ている」っていう珍しい感じで。結局「ひとり」なんだけど、でもそこには「自負」や「プライド」があるでしょう? みたいな歌詞がちょっといいです。

▼好きな歌集紹介

●『まだまだです』(カン・ハンナ)
●『砂丘律』(千種創一)

僕はその人なりの「のっぴきならない感じ」や「業」みたいなものが作品に反映されているものに惹かれる。猫歌人が「業」なら「韓国人が日本語で短歌を書く」のも「業」。カン・ハンナさんの歌集はもう「異国で、異国語で、短歌で」という時点で、ぐっと来る。『まだまだです』というタイトルも、人柄が出てて、なんかいい。最近は、結局短歌って「人柄」なのでは? みたいな身も蓋もない感じになっちゃう。
『砂丘律』は、まず装丁がかっこいい。綴じ糸が黄色。しおり紐も黄色。縦長のザラ紙で洋書のペーパーバックっぽい。

▼自作朗読

●「ためになる暮らし」(『弦』No.49)
連作は不得手だけれど、この連作は好き。


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