見出し画像

犬について④

我が家の犬。17歳を越えて早半年以上が過ぎた。通っていた美容院が閉店してからは高齢のためカットさえも断られる。美容院ジプシーだ。最近そんな彼女にもカットしてくれる美容院が見つかって とてもありがたかった。先月もお願いして夏前に短くカットした。
そんなある日 彼女はなんか、カッカッカッ、オエッ とえづくような感じの動作を見せた。?と思ったが犬のことが よくわからない私は これが咳だと気づくのが遅れてしまった。日に日に咳の回数が増えたが、ごはんも排泄もいつも通りで 仕事にかまけて少し様子を見てしまった。仕事から帰ってごはんをあげたが、彼女は夕ごはんを 少し残していた。いままで残すことなど ほとんどない食いしんぼうが、だ。時間をおいて全量食べたが、あれ?と違和感を感じる。次の朝も少し残して時間をかけて食べていた。やっぱりおかしい。この日の夕方 受診した。レントゲンを撮影し、医師から肺炎であろう、と言われた。呼吸は早いが、まだ家でなんとかできそうだ。注射してもらい帰宅。だが、その日とても苦しそうな呼吸になっている。医師からは夜間いつでも電話して、と。そんなに悪いのか?翌日も注射に通った。まだあまりよくならない。明日の受診まで待っていいのか?そんな事を思いながら過ごしていた。寝るに寝られない。
そして翌日の受診から帰宅すると 粗相の増えてたおばあワンは床に放尿してしまい、それを片付けている時にバタンと横に倒れてしまった。え?と思って見ると 呼吸していなかった。すぐに夫を呼び、名前を呼びながら揺り動かしてる間に病院に電話して再受診した。慌てるなか 普段、老人ホームで心臓マッサージをする事があるけども 犬の場合は どうやるんだろ?などと考えたりもした。
自転車で急いで がたがたと揺れながら運んだためか時々首を動かしていた。どうやら呼吸は戻ったのか?病院に着いたらすぐに処置室に。準備して待ち構えていてくれた。そのままICU酸素室に入院となった。意識の戻ったおばあワンは「あたし、なんでここに?」みたいな表情で私を見た。しかし具合が悪いようですぐに横になってしまった。その日から毎日 面会に通った。なんだか、この時から おばあワンは私たちのことが わからないような様子を見せるようになった。
面会のたび酸素室にいる彼女は少し楽そうだったが呼吸は変わらず早い。医師からは病状は あまりよくない、と言われて動揺もした。その後も面会に行き続けて少し元気そうな表情の日などに一喜一憂していた。
そして昨日 面会に行ったら なんと酸素室から出て普通のケージにいた。肺の状態はだいぶ良くなった、と。彼女の生命力のすごさに泣きそうになる。しかし、腎臓の数値は悪く自分でごはんを食べないため強制給餌に切り替えます、との事。もう少し入院は必要、と言われたが ほんのり元気そうな感じもあり ほんとにホッとした。
まだまだ予断は許されない状況ではあるが とりあえず今は おまかせする以外に手立てはない。

相変わらず面会に行っても あんた誰?みたいな感じで 笑ってしまうが、これも仕方ないんだろう。帰って来る頃には はじめまして、みたいな感じかもしれないけど 私たちはあなたの事知ってますよ、と何度も伝えようと思っている。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?