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第1回 木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)と邇邇芸命(ニギノミコト)

 この地には、木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)と高千穂の嶺に天下った邇邇芸命(ニギノミコト)の出会いの神話があります。
 

ニギノミコトが、美しい乙女のコノハナサクヤヒメと出会います。すると、ニギノミコトは、コノハナサクヤヒメに「おまえは誰か」、と問いかけます。重ねて「おまえと一発やりたい」と聞きます。この辺りの話は街中で不良が綺麗な女の子に声を掛けて、ナンパしている様な感じです。(笑)。
 するとコノハナサクヤ姫は、「私は大山津見(オホヤマツカミ)の娘です」「結婚の返事は父がします」と答えます。
 国津神のオホヤマツカミは、娘が天津神のニギノミコトに見初められて喜びます。そして、姉である石長姫(イワナガヒメ)も一緒にもらってくれと姉妹を送り出します。ところが、イワナガ姫は大変な醜女でした。そこで、ニギノミコトはブスのイワナガヒオホヤマツカミに送り返します。
 しかし、これは、大変な間違いでした。コノハナサクヤ姫は、花など美しいけれど、はかないものを司る神様でしたが、イワナガ姫は石や岩など、恒久不変なものを司る神様でした。イワナガ姫を送り返したことで、天津神の子と言えども、命がはかないものとなったのでした。
 この後、コノハナサクヤ姫は身ごもります。するとニギノミコトは「たった一度のまぐわいで身ごもるはずがない」と言います。一発やっただけで、妊娠するはずがない。他の神(国津神)の子ではないかと疑います。この辺りのやり取りは、なんとなく不良の物言いのような感じがします(笑)。今だったらDNA鑑定でしょうか (笑)。
 コノハナサクヤ姫は「お腹の子が国津神の子なら、無事に生まれることはないでしょう。天津神の子なら無事に生まれるはず」と言い、産殿(うぶどの)を造り閉じこもります。そして、いざ生まれようとしたときに、産殿に火を放ちます。
 燃えさかる炎の中から火照命(ホデリノミコト)火須勢理命(ホスセリノミコト)火遠理命(ホオリノミコト)が生まれます。
 火照命(ホデリノミコト)は海幸彦として、火遠理命(ホオリノミコト)は山幸彦として、有名な神様になっていきます。

古墳の案内板です


 西都原公園の中には、寄り添うように男狭穂塚と女狭穂塚と呼ばれる大きな古墳があります。男狭穂塚は、墳長154.6m、高さ19.1mの国内最大級の帆立貝形古墳と言われています。女狭穂塚は、墳長176.3m、後円部長96.1m、高さ14.6mの前方後円墳で九州最大規模の古墳です。
 この二つの古墳はニギノ命とコノハナサクヤ姫のお墓と言われています。誰が眠っているのか気になるところですが、天皇家の御陵墓として宮内庁により管理されていて、内部を調査することは出来ません。周囲は柵で囲まれていて、近くに行っても、木が鬱蒼と茂り全容は見ることが出来ません。


ニギノ命とコノハナサクヤ姫の出番はここまでです

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