時々、サヨナライツカ…
この本を初めて読んだのはいつだったかな…
初版は平成14年とあるから、今から17年前か。辻仁成さんの小説はとても女性的で、言葉が柔らかく繊細で、胸の奥の奥にチクンと刺さるとそれまで我慢していた様々な感情が一気に呼び起こされ、止めどなく溢れてくる。
ちょっと心に小さな穴が開いて、冷たい風が身体を吹き抜けるような時、心臓の辺りがしくしくと疼いて呼吸が浅くなり、自分の感情をどうにもコントロールできなくなるとき、この心の中のモヤモヤした塊の処理の仕方に四苦八苦するとき、私はサヨナ