コルトレーンの囁き Vol.7
『 悲しい覚悟 』レストランから出たあとも繋いだ手を離さないユウリは、怒ったようにずっと黙り込んで何か思い詰めたような顔をしている。二人は並木通りの木漏れ日の中を言葉もなく肩を並べて歩いた。周りには自分たちと同じように恋人達が手を繋いで、愛の言葉を囁きながらのんびりとした歩調で散策を楽しんでいる。
愛する人との時間に嬉しさが隠せないといった表情の女性と今の自分とを比べて、やはり私はこの人には相応しくないのではないかという疑念が切なく湧き上がる。いくら恋しいとはいえ、あまりに