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AI絵×手描き絵でイラスト製作 〜元絵に忠実なtrinart、映えのnijijourney〜

前回の記事はこちら

まだ続きました、AI絵×私絵の記事、第3回。
今回はtrinartとnijijourneyを使用しました。
最初に言っておくと、今回はかなり構図を何度も考え直したので無駄に長いです。でもその紆余曲折したことも自分語りしたいなぁと思ったので素直に書きます。


案出し〜ラフ

いつも通り、案出しからAIに頼っていきます。
今回描くのはFE暁の女神のキルロイさん。虚弱体質な心優しき神官ですが、スマホアプリのFEHで見せた水着姿の方を描いていきます。
彼は体が弱いので、初めての海、バカンスです。きっと暑さで大変だろうし、日陰で休むんだろうなぁ……そうしているところを「大丈夫?」と話しかけにいきたい。というのがベースのアイディア。内容からして(一人称視点)夢絵なので、最終的に「こういうのが見たかったんだよ!」と私が思えたら勝利です。自己満の世界最高。
最初は大まかな容姿の指定と、座ってる、ヤシの木がある、影がある……といった内容の呪文を入れ、trinartでt2i。

まぁ無難な感じ

おおよそイメージは湧いてきましたが、なんかパッとしない。そこで、映えならnijijourneyの方が得意だ!と思い立ち、今度はnijiでt2i。

割愛しますがどの段階でもかなりの数ガチャってます

可愛くて良い感じの絵が出ました。ええやん!ということで、これを材料に加筆修正してi2iで最終的にできたラフ案がこれ。

雑だがラフならこれで十分

これを参考に、でも体はちょっと変なので3D素体で似たようなやつを探して調整してトレス。今回はAIによる線画の添削も挟もうと考えていたので、割と雑に下書きしました。

だいぶ雑な下書きを
trinartでi2i

しかし、このあたりで「なんか……普通すぎるな……」と思ったので。再びnijiでひたすらガチャ。

初期案に近いけど雰囲気良い
こちらに腕を伸ばしてのが乙ゲーっぽくて良い
そして、この木に寄りかかってるのを見て閃きました

そうだ!真正面、真横だから面白くないんだ!と気づいた私は、次に俯瞰構図で考えることにしました。ここでもかなりt2iしたのですが、最終的に自撮りでポーズを決めることになったので割愛。i2iすればいいや〜と自撮りを元に加筆修正。

これを
trinartでi2i

さすがに雑すぎて胴体を描けそうになかったので、3D素体を用意して描き直すことに。先程の画像に素体のポーズを合わせて、カメラを上からにしてみます。

あくまでi2i用なので雑
しかし腕が気になる……

3D素体をそのままトレスすると、↑のように腕が真っ直ぐ見えるんですが、違和感がすごいので、前段階で撮った自撮り絵から引用することにしました。ついでに顔も角度を斜めにして可愛くします。

嘘でもそれっぽければセーフ
i2i。上目遣いが可愛いし絵が上手くなってきた

線画


↑のAI絵を元に、線画を描きます。今回はAIに修正してもらう前提なので、割と簡易な線画です。

シワや服の形をトレスした
i2i。良い!これだ!

ようやく自分の需要に合致する絵を見つけたので、これをベースに本格的に作業開始です。
i2i前の線画からは(虚弱体質で比較的体が細いキャラなのでそれに合わせてある)体のラインや手を、i2i後のAI絵からは髪、顔、服をトレスして線画を描きました。

バケツ塗りと影ベタ塗りも。比較的簡単に、とても可愛く描けた

色塗り

参考資料用にi2iする気満々なので、とりあえずざっくりとアニメ塗りします。

テンション上げるため先に髪と目だけちゃんと塗った

今度は、nijiでi2i。理由は、良い雰囲気の絵はライティングがどんな感じか?を参考にしたかったからです。nijiのi2iは、あくまで元絵を参考にしつつ、新しいイラストを生成する印象です。これはi2i元に忠実なtrinartでするのは難しいです。こういう点で差別化できるな〜と今回の作業期間中に気づきました。
逆に、ここの影どう描こう……等と具体的な描写で悩んでいる時はtrinartの方が役に立ちます。

nijiでi2i。光と影の割合がちょうど良かったこれをチョイス

↑のAI絵を参考に、影とハイライトを加筆してtrinartのi2i素材にします。

顔、ズボン、胸元あたりを特に真似た
trinartでi2i。

ズボンのハイライトが真似しやすそうだったので↑を採用。この後、位置関係を考えるとこんなに影はできないと気づいたので、ほぼズボンだけ参考にしました。
あと、髪の塗りは「情報量が増えるペン」で全体を加筆してみました。このペンめちゃくちゃ便利だったのでお気に入りになりそうです。髪下手マンの救世主。

完成が見えてきた

しかし、ここで問題発生。なんと、作業中だったこのファイルが破損したのか、このデータだけ開かなくなりました。
幸い、毎回作業の終わりに進捗を書き出してはアップしていたので、ここまでの塗りをやり直す必要はなかったのですが、レイヤー分けしているからこそできる細かい加工や色トレスはできなくなりました😭
しかし、以前からクリスタが重くて落ちることはよくあり、予防線は張っていたので線画だけのデータは残っていました。ベクターレイヤーの線画より統合済み画像の線画の方が太かったので、線幅修正で線画を太くし、周りをスポイトしながら色トレスすることにしました。

完成

髪と汗と目にハイライトを追加し、おくれ毛も加筆。オーバーレイで明暗をつけて、最後にトーンカーブで色味を調整してできたのがこちら!

手作業の色トレスは難しいし疲れる

瞳のハイライトを描くのもめちゃくちゃ苦手だったので、今回は「目の光ブラシ 20種」というペンで描きました。なんとこの可愛いハイライト、私はペンを引いただけ!素材様様です。
これをiPhoneに送り、最後にトリミング作業をします。その際、AIが自動でトリミングしてくれる機能が目に入り、試してみたら結構良い感じだったので、それを少しいじって……完成です!


トリミングしたことでよりガチ恋距離になった感、最高
あの後更に地面と汗を加筆しました

本当はもっと塗りをこだわりたかったのですが、私にレタッチ技術はないのでこれにて終了です!これは早く次の絵を描けというクリスタからの啓示だと思っておきます!

まとめ

今回はtrinartとnijiを行ったり来たりしたので分かりづらかったかもしれません🙇‍♀️
おさらいをすると

trinart

・i2iは参考画像に忠実に生成してくれる(※もちろん重ね描きの強さの%にもよります)→元絵を添削するなら?という感じ
・無難なキャラ絵の構図は豊富

nijijourney

・i2iは参考画像の特徴を元に新たなイラストを生成してくれる→元絵を神絵師が描き直したら?という感じ
・なんかそれっぽく映える構図や塗りが大量に見れる

といった感じでしょうか。今まで「trinartはnijiに比べると絵が物足りないし、nijiはi2iの性質がちょっと違うから使いづらいなぁ」と思っていたのですが、それが長所だったわけですね。
今後しばらくはなにか新しいことがない限りtrinartとnijiを行ったり来たりする手法が続きそうです。
また、今回はトラブルがあったのもあり、割と塗りはシンプルなままで終わらせたのですが、普通に良いですね。塗りがはみ出してる部分もちらほらあるんですが、ほぼ気にならないので、今後も緻密すぎずに作業できたらなぁと思います。塗りの勉強はします!もっと強くなりてぇ!


感想

突然ですが、今回の絵の超初期案である落書きを載せます。

一番下が採用されました

この落書きは去年の夏にメモしていたものなんですが、AIめちゃくちゃ使って色々没にして最後に完成した絵が、一番最初に考えた構図と似たものになったのを見て面白いと思いました。
AIを使っていても、こだわったなら自分のセンスが作品に反映されること。そして、1年前の自分にとってほぼ理想としていた構図の絵が描けていたということ。
たぶん去年のままじゃこの絵のどこかを諦めていたと思うんですよね。描くのが難しい、なんかダサい、あたりの理由で。それがAIを使えば可能な範囲で要望叶えたオシャレな絵を作れる!インスピレーションも受け放題!nijiは色んな映え絵を出してくれるので案出しには最適すぎます。ある程度構想がある場合、雑なカラーラフでも通用するのかはそのうち実験してみたいですね。
あと、最近漫画の勉強・練習も始めたので、どうAIくんに頼れば効率良いかなぁと考えています。

今後も絵が完成次第、過程なんかを詰め込んだ記事を書き続けていきたいです!

おまけ

もっと……強くなりてぇ……!
ということで、描いて終わりじゃないです。せっかくi2iを活用できるようになったので、描いた後にも利用してみます。
先程の完成絵を/describeコマンドで呪文を考えてもらい、少し修正してi2iします。
ここからどうすれば更に良くなるのか?私の理想はどんな絵なのか?ひたすらガチャしながら自分の好きを探しました。

顔が可愛いので保存した
笑顔が可愛いので保存した

「やっぱりこういう絵は夕方とか影多めのやつが無難だったか〜。せめて顔にもっと影描くべきだったか?」など反省しつつ、完成絵を添削するならどうするだろう?と考えました。ちょっとここ数日忙しかったのでまだできていませんが、添削もやりたいなぁと思っています。
そして今回ガチャした中で一番求めていたものに近かったのがこちら。

角度や構想が理想だった

顔やポーズはちょっと違う気がするんですが、彼の横にいる角度や距離感……あと植物!本当は植物(草とかハイビスカスとか)入れたかったんですが、どこに描けばいいか上手く想像できずに断念しちゃったんですよね。なのでこの絵を見て正解を得られた感がすごかったです。よく考えると海のパースがすごいことになってますが、全体的な雰囲気としては脳内イメージぴったりでした。線画やベタ塗り時点のi2iでこれが得られていたらたぶん背景はほぼコレになっていたと思います。
AIを使って何度も何度もカラー絵の構図を見ては取捨選択することで、自分の欲しかったイメージをより具体的にする。根拠は特にないですが、何枚も絵を描くより効率が良いですし、これも絵の上達の近道になったりしませんかね?絵って脳内イメージをいかに上手く出力するかという技術と思っているので、それの擦り合わせができるAI絵は役に立つのでは?と思いました。
まだこの方法を使ったのは1回目なので、もっと試していきたいですね!果たしてこれで強くなれるだろうか!?

それでは〜

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