【媚薬】マギロギの蔵書について考える会5

本noteは「著:河嶋陶一朗/冒険企画局、新紀元社」が権利を有する『魔道書大戦RPG マギカロギア』の蔵書に触れるnoteです。

事の起こりは初回のnoteを参照ください。
※この【媚薬】はデータの名前であり、このnoteは全年齢対象です。

乱数表に書工魔法までは入れましたが、まだまだ半数以上が汎用魔法なので仕方ないですね。
つまり今回も汎用魔法……ですが、初めて蒐集日記の魔法に触れます。やったー!
でもなんで初蒐集日記の魔法がこれなんですか! ヤダー!!(どうすればいいんだろうという顔をしています)



【媚薬】について

【媚薬】
分類:汎用・呪文魔法
効果:対象が魔法使いの場合、アンカーの属性を恋愛にする。騎士か乙女の場合破壊し、悪夢を召喚。魔素2つ発生。

メリット

・アンカーの属性を変えられる数少ない手段。
・相手の元型を破壊しつつ悪夢を召喚できる「呪文」。
・ドラマシーンでも使えるので書籍卿の騎士や乙女をドラマシーン中に破壊できる。
・得られる魔素が「発生」なので無駄になりにくい。

デメリット

・コストが重い。
・変えられる属性が「恋愛」一択。
・騎士と乙女以外には効果がない。

詳細な話

どうすればいいんだろう……。

いきなりめちゃくちゃな嘆きから始まりましたが、実際使ってみたら感想が変わるかもしれません。
でもとりあえずこの蔵書の効果を読んだ時の第一声は「どうすればいいんだろう」でした。
蔵書について考える会、第5回にして考えることを放棄しそうです。

でも「よくわからない蔵書に触れる」のもこの会の目的ですからね。ちゃんとやりましょう、とない頭をひねって考えてみます。


捻り出したメリットが上記のものです。順番に考えていきたいと思います。

アンカーの属性を任意のタイミングで、事件表を振ること無く変えられる手段はそう多くはありません。
エロスの矢(戸口専用品。これもこれでどうしよう案件だよ!!)くらいしかぱっと浮かびませんでした。それを見つけるための会と言われたらそれはそうです。

だからなんだ、と言われれば「そうですね……」としか言えないのですが……。
ロールプレイ的に、「敵対関係にある魔法使い同士を協力関係にさせる必要がある」場合とかに使える……かもしれません。
蒐集日記から書籍卿PC作成ルールが制定されましたし、書籍卿と協力関係である必要のあるシナリオが今後増えていくことでしょう。蒐集日記発売前からNPCの書籍卿が(いやいやだったり、渋々だったり、ノリノリだったりは様々ですが)仲間になるシナリオもありました。
しかし、いくら仲間であるというスタンスを取っていても、信念の違いやそもそも書籍卿が嫌い! とかこいつとは合わない! とかは往々にして起こるものです。

例えば、めちゃくちゃ安直ですけど、「〈大法典〉から〈理想郷〉と組んでと言われたし分科会自体は納得しているけど、そのうち一人のPCが個人的に〈理想郷〉をめちゃくちゃ毛嫌いしてる」と仮定しましょう。そういうときも無くはないと思います。
そしてそういう場合はシナリオアンカーとしてそのNPCを取ったとしてもほぼ確実に「宿敵」でしょう。
分科会を取りまとめるリーダーや〈大法典〉の決議機関である〈円卓〉、外交機関である〈戸口〉にとってはちょっと悩ましいですよね。
この不和による問題は起こってほしくない、でも上からの命令なので〈理想郷〉とは組まなきゃならない。
PLさん同士の了承はあってもPCの気持ちがガルガルしてる。
……みたいな、そういう状況です。

そういうときに【媚薬】を使って「このセッション中だけでいいからその悪感情抑えてね~」ってやるのが……想定されている使い道……なのかなあ?
「別にあんたのためじゃないんだからね!(本当に〈理想郷〉のためじゃない)」みたいなことができる……かもしれません。
いやこれPLさんの努力の結果だなあ!?
これが「恋愛」以外にも使えるなら「〈天涯〉が恋愛だなんてとんでもない!」という潔癖〈天涯〉に使って感謝されることもあるかもしれませんが、まあ【媚薬】という名前ならできるのはそりゃ「恋愛」だよな……って……。

シノビガミみたいに個人的に「あなたの【使命】は◯◯から「恋愛」の感情を結ばれることだ」みたいなシナリオがあるのであればめちゃくちゃ大活躍しそうではありますが、今のところ知らないのでそういうシナリオがあったら教えて下さい。やってみたい。
マギカロギアはシノビガミほど感情が重視されないシステムなので(それこそ天涯の所属条件くらい……?)使い道に迷ってしまいます。RP重視なのでしょうか。それにしてはコストが……重いなあ!

そういうわけで2つ目の効果とメリットをみていきましょう。
この呪文は目標に選べるものがもうふたつあります。騎士と乙女です。これ目標本文参照にしたほうが良かった気がしますが多分これ効果ない奴相手にも使えるんでしょうね意味は殆どないけど……。

もちろん、騎士や乙女はアンカーを持っていないので効果が変わります。それらを破壊し、悪夢を自分の元に召喚する、というものです。
正直、「騎士・乙女の破壊」や「悪夢の召喚」という面ではコストと内容が釣り合っていません。騎士等を破壊したいなら【魔弾】なんかで事足りますし、悪夢もコスト1で召喚できますので。
では何がこの効果においてのメリットと成りうるか、を考えますと「この蔵書が呪文である」ことになってくると思います。

通常、元型を召喚する魔法は一部の例外を除いて「召喚魔法」になっています。召喚ステップの時に、一度だけ(【祖霊】所持で二度まで)使える魔法です。
なので、本来であれば「1ターンに2体の元型を召喚する」ということは基本的に不可能となっています(これもいくらか例外あり)。
しかし、【媚薬】は上述した「一部の例外」の中の一つです。
この魔法は「悪夢を召喚する」という効果を持つものの「呪文」です。ですので、召喚ステップであっても攻撃ステップであっても、自分の手番なら発動することができます。

こちらは乙女召喚をして、相手に召喚ステップを渡す。
相手は騎士を召喚して、こちらに攻撃ステップを渡す。
ではこちらの攻撃ステップ、攻撃の前に【媚薬】を騎士に使って騎士を破壊し、悪夢を召喚する。
という流れが可能なんですね。

正直召喚できるのが悪夢というのがまた癖の強い元型で、それを十全に使うには【速読】だったりキャストだったりが必要なのですが(なので上の例では乙女を召喚しています)、1ターンに2体の元型がいるだけでやれることが格段に増えます。
【妖花】の養分にしても良し、【魔刃】で飛ばしても良し、〈阿房宮〉なら【霊喰】で食べてしまってもいいですね。一番現実的なのは……コストの面で言うなら最後かなあ……。やっぱり無法じゃないですかね〈阿房宮〉さん……。

あとはレアケースですが「元型維持」の異境での騎士・乙女を連れた書籍卿がいたりすると活躍するかもしれません。あとはめちゃくちゃ微妙っちゃ微妙ですが騎士や乙女を「従霊」にしている書籍卿。
めちゃくちゃレアケースだと思うのでこれを想定してこの蔵書を採用することはまず出来ないですが、これも利点だと思うので軽く説明を。

この蔵書はドラマシーンでも使うことが出来ます(細かなルールはマギカロギア公式サイトのQ&A、「呪文の使用タイミング」でご確認ください)。
まあそうですよね、魔法戦でしか使えなかったら1つ目の効果(アンカーの属性変更)の使用タイミング大変過ぎることになってしまうので。
でも、それが故に「ドラマシーンで元型を破壊することができるほぼ唯一無二の効果」を得ていることになります。

「元型維持のシーンで書籍卿を調べたらシーン中に騎士・乙女が登場してることになってる」、……なんてことになったら使えますね。
1ラウンド目の召喚ステップを待たずして出ている騎士・乙女は面倒なのでそのままご退場してもらうのが良いでしょう。自分は悪夢も貰えて万々歳です。

従霊の場合は……正直あまり破壊するメリットはありません(消滅なら再召喚できなくなるので意味が強くあるのですけども、残念ながら破壊です)が、律儀に魔力を減らして再召喚してくれる書籍卿およびGMだったら嬉しいなって思いましょう。
ただ従霊持ちの書籍卿は従霊自体がギミックになってる場合もありますし、魔力を減らさず再召喚したりするかも。要確認。

そして一応付随した効果として「魔素2つがランダムに発生する」というものがあります。これは魔法使いを目標にしても騎士・乙女を目標にしても発動します。多分効果のないものを相手に目標しても発動します。
ランダムとはいえ「発生」なので、そのシーンにいるキャラクターなら蔵書にチャージすることができます。
「獲得」と「発生」の違いに四苦八苦していた頃が懐かしい。発生は偉いですね。


ただし、この蔵書を使うにあたって大きすぎる壁があります。
コストがめちゃくちゃ、はちゃめちゃ、とっても、重い。
いや、蒐集日記でコスト6の魔法とか追加されましたからね。それから見れば軽く見えますけどね。
需要の多い魔素を3使ってこの効果。どないせえと。
魔素の発生があるので総数的には-1でいいのですが(抵抗されたら悲しみましょう)、前にもいいましたが歌領域は需要が高いのです。【回復】、【幸運】、【教本】、【魅了】、etc.
その中でそれらを押しのけてこの蔵書にコストを回す余裕があるかどうか……を考えると、正直あんまり……ないと思います。
むしろ【教本】で指定してコストを減らして運用するのが一番丸い気が。でも【教本】の指定先ってもっといいやつあるもんなあ……という気持ちもありつつ。
コスト2使って元型破壊しつつ悪夢を召喚し魔素2を回収できるって考えるとそう悪くないのかもしれませんが……、騎士と乙女にしか破壊効果効かないんだよなあ……。

この蔵書の面白い使い方、募集しています(挫折)。


終わりに

後期に追加されるデータは効果も難解になっていくのは世の常ですが、この蔵書に関してはもう……なにもかも……わからん!!! っていいたくなりました。
多分探せば私よりうまい使い方してる人がいるはずなのでご享受願いたいくらいです。
ネット上で検索かけても流石に発売日から近いこともあってまだ見つからないんですよね、この蔵書に関する記述……。何かしらのヒントを得たい。
とはいえフレーバーで持つのは面白い蔵書だと思うので(愉快犯の混血主義者とか、阿房宮とか)、何かしらうまく使っていきたいですね。

では本日はこのあたりで。
よきセッションの一助となれば幸いです。

ライセンス表記

(C)冒険企画局/新紀元社/河嶋陶一朗 「魔道書大戦RPGマギカロギア」


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