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2度目のさよなら

彼にもらったチョコレートが、残り一つになった。

ちょうど2年前に書いた記事がある。


あれからもう2年も経ったのかと思うとゾッとする。


あの時も私は、
今とまったく同じことを考えて彼から離れようとして
私から「もう連絡しないで」とはっきり言った。
と言いつつどうせ連絡してくるだろうと思っていたら、
本当に来なくなった。


一年ちかく、一切連絡をとらなかった。
その間に私は職場が変わり、10日間海外へ行き、
別の人とデートしていた。

コロナが蔓延し始めて未曾有のウイルスにみんな怯えていた頃、
いつ死ぬかもわからない世の中になってしまったのに
なぜ連絡を我慢しなくちゃいけないのかよくわからなくなり、
私からブロックを解いてLINEしてしまった。

今思えばそんなのは連絡するための言い訳で、
ただ単に寂しさから彼が恋しくなったんだと思う。


私が一度連絡をしたら、
堰を切ったようにまた連絡が来るようになった。

そこからまた、私たちの”恋人ごっこ”が始まった。


電話の内容は以前より濃度を増し二人の心の距離はさらに近くなり、それに比例するように彼は優しくなり
同時に私も彼に素直な気持ちが言えるようになり、
お互い「好き」と言うようになってしまった。

好きと言ってしまった以上、”親友”ではいられなくなった。

今まで”親友”でいるために、ずっと一線を引いてきたのに。

「好き」って言ったら終わりだと思っていたのに。


1月半ばに会ってから、連絡はとっていない。
彼からの連絡もない。

一ヶ月前、『もらったチョコレートを食べきる頃には「ただの親友」になっているだろう』と私は書いた。

だけどチョコレートが残り一つになった今、
「ただの親友」には戻れないと感じている。

素晴らしくて尊い関係だと思っていたけど、
それはお互い「好き」と言うまでの話だ。

しかも彼は、それは嘘だと言った。
「恋愛感情はない」と。
私はすごく傷ついたし、彼を信用できなくなった。

「恋愛感情はない」と言われたことに傷ついたのではない。
「恋愛感情はない」のに、「好き」と言っていたことに傷ついたのだ。


最初はお互い心の隙間を埋めるために同じようにお互いを利用しあっていたしそれを公言していたのに、
それがいつしか染みのようにじわじわと広がって
心の面積のほとんどを占拠するようになってしまった。

お互いそうだと思っていたけど、そうなっていたのは私だけだったみたい。

私がどれだけ彼を好きだと思っていても
彼が私のことを友達としてしか見ていないなら、
彼と一切の連絡を絶たないと私は幸せになれない。
今のままでは永遠にこのままだ。

このままでは自分のことを嫌いになってしまう。

私を幸せにしてくれるのは、彼じゃない。
私を幸せにするのは、私だ。



今回は「連絡しないで」とも言いません。
「いつかまた会う日まで」とも言いません。



どうか、元気でいてください。

それだけです。


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