真島審一

会計検査院事務総局で38年間(1975~2011)、監査委員として5年間(2011~2…

真島審一

会計検査院事務総局で38年間(1975~2011)、監査委員として5年間(2011~2016)、公監査に従事。現在従事しているのは、公監査研究と執筆、浦和レッズの応援、妻孝行及び終活。

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  • 自治体監査委員の仕事について考える

    平成29年の地方自治法改正で監査委員制度の充実・強化が図られ、監査基準制度が導入されました。しかし、それは財務諸表監査の発想で行われたもので、実効を上げるとは思えません。監査委員制度の充実は、監査相手外からの情報収集を監査慣行にできるかがポイントで、そのためにも3E監査の充実が不可欠と考えています。そのような考えで、記事を取り上げていきます。

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監査基準に従って監査結果を記載するための選択肢

 平成29年の地方自治法改正で、監査基準の作成と遵守が監査委員に義務付けられました。自分が作成した監査基準を遵守しない監査委員など存在しないだろうと思っていましたが、多くの監査委員が遵守しておらず、自らが策定した監査基準に従って監査報告を作成しているのは限られた自治体の監査委員です。筆者は、監査基準に従っている監査委員を、「監査基準を遵守しているかで監査委員を格付けしてみた」と題した記事で、一流と格付けしていますが、本記事は、その一流の監査委員がどう監査結果を記載しているかを

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    • 3E監査の難しさを監査基準で知る

       この記事は、3E監査をどうすればできるのか分からない方や、監査報告に監査の結果をどう記載すれば良いか分からない方に向けて書かれています。 <総務省の監査基準案における3E監査>  監査制度の充実を柱の一つとする平成29年地方自治法改正の眼目の一つは、監査基準の作成と遵守を監査委員に義務付ける監査基準制度の創設でした。改正法施行(令和2年4月)の1年前(平成31年3月29日)に総務省は自治行政局長名で「監査基準(案)」(以下「監査基準案」といいます)と「実施要領」を通知し

      • 監査委員が監査報告で伝えているもの

         監査を構成する主体は、監査対象(監査客体)を監査する監査人と、監査人に対して監査客体を説明する被監査組織と、監査人の監査報告を受けとる報告利用者の三つです。この記事では、この三つの立場から監査報告について考えていきます。  まず、被監査組織の立場から考えます。被監査組織が監査客体を監査人に対して説明するのは、監査客体について対外的に説明責任を有しているからです。したがって、監査報告に記載された異状についても、その異状認定を是として修復・予防を行うと説明するか、否として無視す

        • 監査基準を遵守しているかで監査委員を格付けしてみた

           令和2年から監査委員に対して監査基準を作成し、それに従って監査をするという職責が新たに課されました。このnoteは、これを利用して、監査委員を格付けしようとするものです。監査委員が監査基準に従っているかによって「一流」「普通」「二流」「三流」と格付けしますが、用いる監査基準は、外形的に判断できる報告基準、つまり、監査報告を作成する基準です。報告基準に従って監査報告を作成しているかは外形的に調べることができるので、これにより格付けします。また、対象とする監査報告は、地方自治法

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