56 サバゲーのはなし

 数年前、当時の職場の先輩に誘われてサバゲーに手を出して以来、そこから2、3年かけて装備を増強してきた。今はいろいろあって、手が回っていない。


 ぼくはミリタリーが好きなわけでも銃が特段好きなわけでもない。だけれど、ほんとうに子どものころから、つまり今のようにフィールドやルールがきちんと定められていく前からサバゲーをやっていた。同級生の家の裏山でサバゲーをやっていたし、それができた少年時代はある意味ものすごい格差を感じたりもしていた。当時のはなしはそれはそれでおもしろいので、どこか別の機会にでもまとめようと思う。


 数年前、先輩の計らいで職場の同僚を集めてサバゲーフィールドというものを初めて体験したのだが、民地の裏山という未整備なものではなく、当たり前だが競技用のそれとしてきちんと整備されていること自体に驚いた。そして、それゆえにきちんとルールがあって、そのルールに乗っ取って遊ぶものだと知って、逆に興味を覚えた。めちゃくちゃ簡単に説明すると、フィールドに入って、2チームに分かれてエアガンを撃ち合って、射出されたプラスチック弾(BB弾)が身体のどこかに当たれば「ヒット」、つまり「死亡」となりフィールドから退出する。これを基本として、「フラッグ」「サバイバル」「スパイ」「プレジデント」「センターフラッグ」「フォックス」など様々なルール下で試合を行っていく、という形だ。多くの場合、試合はその場でのみ勝敗を決するので、1日を通してどちらのチームが強いか、というような日程のゲームにはまだ出会ったことがない。戦力差がどうしても発生してしまうし、多少の戦力差があってもそれなりにおもしろいことを前提とした遊び方なのだろうと思う。


 ルールの一部を紹介しておこう。ぼくがもっともおもしろいと思うのは「フラッグ」戦で、多くのフィールドでもこれをメインとしてやっているのではないかと思われる。ルールも比較的簡単だ。チームごとに拠点があり、その拠点からスタートし、互いに相手の拠点を目指す。相手の拠点にある「フラッグ」を取れば勝ちで、制限時間以内にどちらもフラッグを取れなかったらドロー、というものである。個人プレーでもある程度おもしろく遊べるが、チームワークが非常に試されるルールでもある。また、フィールドの見取り図を頭に入れながら、敵拠点を制圧するために様々な工夫を凝らすところなんかはストラテジーゲームのような戦略性がある。極端だが、チームメンバーがたとえひとりになっても、相手がフラッグを取りに行かなければ実はまだ勝ち目があるというところでもおもしろい。また、ただ単に戦闘が強くてもフラッグを守れなければ負けてしまうし、そういう理由でサバゲー歴と勝敗にそこまで影響がでないというところもおもしろポイントだ。フィールドが広大でチーム人数が大勢になると、チームによっては伝令担当を置いたり無線を駆使して戦うところも出てくる。こうなってくるとフィールド内はちょっとした戦争である。「9時から弾、フルオート。1枚と思われ」だの「11時からセミオート。その後ろに影があるので最低2枚」だの、そんな情報共有をしながら目の前の敵と駆け引きを繰り広げたりしている。


 ぼくは単にサバゲーを競技として楽しんでいるので、エアガンも性能や取り回しと価格帯、およびメーカーで選んでいる。そういった理由で職場の先輩たちのように史実にそったマイナーチェンジモデルや見た目のロマンなどを気にせず、近所のホームセンターで買ってきた作業着にベルトを通して、そこに工具入れを取り付けてマガジンポーチにしているし、エアガンもメインで使用しているのはハンドガンタイプとサブマシンガンタイプ、スナイパーライフルタイプの3種類だけだ。この組み合わせだけで十分おもしろい。そして、そういう存在であっても先輩たちは受け入れてくれるので懐が深い。彼らの中には衣装のコーディネイトのテーマまで決まっている「ガチ」なひともいるのだが、それはそれなのである。


 ちなみに、フラッグ戦では最前線で切り込んでいくバーサーカーか、後列で徐々に戦力を削っていくスナイパーをやることが多い。おそらくもともとの性質ゆえか、ツーマンセルやスリーマンセルを組むよりもひとりでふらふらしている方が好きだし、おもしろい。
 書き手界隈でも、それなりにサバゲーマーがいるような気がするので、フィールドを借りてオフ会なんかしてもおもしろそうだな、と思うそんな今日この頃である。

おすしを~~~~~よこせ!!!!!!!!おすしをよこせ!!!!!!!よこせ~~~~~~!!!!!!!おすしを~~~~~~~~~!!!!!!!!!!よこせ~~~~!