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私的パートナーシップの構想。

こにゃにゃちは。
静香・ランドリーです。

九州の辺境にて、空梅雨からの猛暑に耐えております。
蝉が、けたたましい。
数も、おびただしい。

嗚呼、はらだたしい。

さて。
巷はオリンピックやらコロナやらで騒々しいですが、筆者は相変わらず細々と暮らしておりますぞよ。
パートナーとの入籍を完了すべく、ひたすら奮闘の日々。
カメルーン大使館とのやり取りに、最近エナジーが枯渇しております。
チャチャっと進めて欲しいものですよ。

我が愛しのパートナーは、現在は富山で建設のお仕事中。コロナの影響下、短期の肉体労働(しかも出稼ぎ)しかGETできない状態で、日本大陸のアチコチに飛ばされ続けております。

持ち前の明るさで渡り歩くカメルニアン。

「ダイジョブー?」
「ゲンキ?」
「ソーソーソー」
「ガンバッテー」

この4フレーズを駆使して、周囲とコミュニケーションを取るアフリカ人。
初めのうちは筆者もかなり心配しておりました。

「見知らぬ土地で知り合いもいない。そのうち何らかのトラブルに巻き込まれるのでは・・・?」

んが、しかし。
どうやらうまくやっているようです。

彼が作業している姿を、現場のおじさま達がパシャリと撮って「奥さんに見せちゃれ」と言ってくれたりもするらしく、心配性の筆者は感謝感激。

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炎天下の荒野で、めっちゃ頑張ってて思わず笑った。

先日はビデオ通話中に、ルームメイトのおじさまを紹介してくれました。(短期労働のため、アパートはいつも相部屋なんです)
見たところ50代前半。ガッツリ日本人。
部屋のテーブルに日本酒の瓶が置いてあって、『肉体労働派昭和男子』のテンプレートのような方でした。

その昭和男子が

「彼はねー、すごいよ。もうね、チャチャチャっと仕事進めてね。力も強いし、1度教えたら覚えるしね。私は彼と同じ作業チームにいるけどね、他のチームが彼のこと呼ぶのよ、手伝って欲しくて。もーね、いつも先に立って仕事してね。ほんと頑張ってるよ」

と教えてくれました。
ほのかに酔っていらっしゃいましたが、それも良きかな。

日本語返せないけど実は理解できてる

あらゆる環境においても、笑顔で乗り切るパートナー。
筆者にはない強さを持つ彼を、心から尊敬しております。

それでも、やはり色々な方と仕事をするので・・・悲しきかな、外国人に偏見を持つ方にも少なからず出会うようです。

割とあからさまに「発展途上国の出身」とか「教育を受けていない」とか、のたまう輩がいるらしく。

お気をつけなされ。
会話のキャッチボールはできなくても、何となく言ってる事が理解できてるからね。

侮辱されてると分かった時に、どう対応しているのか彼に尋ねたところ。

「んー…返し方が分かんないけど、まっすぐ睨むようにしてる」

との事でした。
彼、身長は低いのですが筋骨隆々。
屈強なカメルニアンに睨まれたら、そりゃ怖いでしょうて。

「睨むのは良くないね、喧嘩になるかも知れないから。逆に笑顔で挨拶したら?」
とアドバイスしたのですが。
「んー…侮辱は許せないから、やっぱり睨んじゃう。喧嘩になってもボクが勝つし」
と。

穏和な彼でも、許せないことはあるようです。
ま、そりゃそーだが。

母国では「おぼっちゃま」だけど日本では「ゼロの人」

ひたすら肉体労働に明け暮れる彼ですが。
実は母国カメルーンでは、意外にも「おぼっちゃま」だったようです。

最近知ったんだけどね。

生まれ育った村では、その村の『チーフ』の1人息子として一目置かれる存在なのだと、彼の友人から聞かされました。

「彼のお父さんは政府と仕事してた事もあるからね。村ではみんな、『チーフのご子息だ!』って、すれ違う時は彼に一礼するんだよー?」

と。

何それ格好良い。
え、今すぐカメルーンに移住しようぜハニー。

なんて思っちゃいましたのよ。(筆者は権力に弱いのであーる)

『村のチーフ』と言う存在がどれほどのものか、筆者には検討も付きませんが。

そんなおぼっちゃまも、日本に来れば『ただの人』。
カメルーンは2016年辺りから、政治的に非常に不安定な状態で、それに加えてコロナ騒動も勃発。

もともと、日本の中古車をカメルーンに輸入するために来日したのですが。

様々な事情が重なって、帰るに帰れない状態に。
途方に暮れていた時、筆者に出会ったそうです。

「ホントにね、全部失くしちゃった時にMomに会ったんだー」

と話していました。
(彼は、筆者のことをMomと呼ぶのですが、これは最上のリスペクトを込めているそうです)

書類に(恐ろしくマイナーな)不備があったためVISAを取り上げられそうになった時、東京で親身になってくれる弁護士さんと出会い、難民申請をしたものの。
日本で難民申請が受理される確率は、1%にも満たないと言う現実がありますわな。

肉体労働で食い繋ぎながら、それでも輸入業を諦められず、コツコツとお金を貯めているカメルニアン。

精神が強靭すぎる。
波瀾万丈だな全く。

お金はなくても有り余る愛をくれる

周囲からはよく

「何でわざわざお金のない外国人を選んだの?」

と尋ねられます。

筆者はお世辞にも生活が安定しているとは言えず、加えて両親の面倒も見ている身です。
自身も『重度の貧血』と診断を受けて、バリバリ働くことができません。

だからと言って。
経済的安定を求めて再婚相手を探すなんぞ、ナンセンス。
靴下一足も買えない生活ですが。
ボチボチ暮らしていけるし、自分を楽しませる術も知っています。

これは綺麗事ではなく。
45歳を目前にして、後期高齢者の両親と共に暮らす上で、何が必要かと言えばですな。

寄り添ってくれる存在なのでありますよ。

辛い時には「大変だね・・・」と慰めて、嬉しい時には「それサイコー!」と喜んでくれるパートナー。
共に一喜一憂してくれる相棒が必要なのです。

たとえ相手がお金を持っていようが、同じ方向を向いていなければ意味はなし。それは、ただの同居人なわけで。

つか、『結婚したら生活が安定する』なんて神話を信じている人が残っているとは。
そんなモンとっくに破綻しとるわ。

筆者はかつて社長と結婚したけど、幸せになれなかったわよ?
お金はあったけどね。

足りないのは経済的余裕

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ぶっちゃけ、お金は大切。
毎月、どうやって支払いしていくか考えるのは、かなりのストレスです。
筆者は『子宮筋腫』も抱えておりますので、まぁ医療費の捻出もままならない状態なので、かなり辛いです。

加えて、婚姻手続きで何かと小銭が飛んでいきます。
これでもか!と飛んでいきます。
2人揃って、「試練だね」と慰め合っておりますよ。

それでも、異国の地で目の前のタスクを必死にこなしているパートナーの姿は、とても頼もしい。
お金はない。しかし目標はある。

2人で同じゴールを持っているのです。

これって素晴らしいことだと思うんだ。

何となく言い訳っぽいけどね。

しかし、我がパートナーは。
筆者のイラストを、目をキラキラさせて眺めてくれる。
いつも「Momはすごい才能をいっぱい持ってるんだ!」と言ってくれる。
書くことが好きな筆者に、生活費を切り詰めて中古MacBookをプレゼントして

「これでもっと可能性が広がるよ!」

と励ましてくれる。

今日は何をしていたのか、仕事はどうだったのか。
両親はどうしているのか。
みんなの体調はどうなのか。
付き合い始めてから1年経っても、毎晩聞いてくれる。

筆者の体調が悪いと知れば、気分がアガる音楽を送ってくれる。

きっと他人からすれば大したことないのかも知れませんが。
彼の愛情はとても真っ直ぐなのです。

強さ。
優しさ。
素直さ。
実直さ。

筆者がライフパートナーに求める全てを持っている男。

あとは経済的安定。入籍さえ完了すれば、東京の住所も変更できるぞ。
つまり移民局の都合で住所確保のために払っているアパートの費用が浮くではないか。

ゴールは間近!多分!
まだ遠いか?!
いや近い!そう信じたい!

結局!世の中『金』じゃあ!

・・・・失敬、ちょっと理性が飛びました。

どんでん返してやるから見てろよ

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今は、まさに「コロナめ!」の状態で、身動きの取れない人が多いですよね。
外国人なら、なおさら。

我が愛しのカメルニアンは、いつも口癖のように言います。

「Everything going to be alright. Because I have you」
(全てうまくいくよ。だってボクにはMomがいるから)

ド貧血持ちでド低収入な上、たまにメンタルやられる筆者に、ぶ厚い信頼を寄せてくれるカメルニアン。
日進月歩ながら、着実に夢へと向かって突き進む彼の姿を見るたび、筆者は心の中で叫びます。

理不尽な手続きで時間とお金を浪費させる移民局!
「貧しい黒人」と笑い物にするレイシスト!

未来の夫が見返してやっからな!

首を『オキシ漬け』でビッカビカに洗い流して待っておれ。

なぁーーーーーんつってな。

それでは、アデュー。

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