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真実の山の姿を知ることが課題解決への道

八代インターチェンジからほど近い龍峯山に登ってきました。標高517メートル、5合目、8合目、山頂には広場が整備されていて、5合目には駐車場やトイレも完備。山頂からは八代市や不知火海を一望でき、市民の憩いの場、健康づくりの場として親しまれているようです。山道の途中や山頂でも、多くの人たちと行き交い、元気よく挨拶を交わすことになりました。

今日の目的は、山登りを楽しむためでなく、ましてや健康のためでもなく、山の荒廃状況の観察であり、その具体策を考える学習会への参加です。トレイルランのランナーたちが、自伐型林業の専門家や環境アドバイザーを招いて企画した「令和2年球磨川水害から見えてきた山の荒廃 〜自分たちにできることから始めよう〜」が学習会のテーマです。ちなみに『トレイル』とは『未舗装路』のことで、山々を駆け抜けるランナーたちが、球磨川流域水害を契機に「自分たちにできること」として、災害復旧や山の保全に取り組んでいます。

私は、先日は美里町の山に入り、自然環境に配慮した林業、特に作業道の造り方を学びましたが、今回は林業そのものではないものの、環境負荷を抑えた登山道のあり方や鹿の食害の影響、鹿防護ネットの設置による植生の復元等々を現地で学んできました。

山頂から山々を望むと、雄大ではありますが、採石場や皆伐地、太陽光発電パネルの設置場所など、削り取られている個所が目に付きます。これまではおそらく見過ごしていたものも、トレイルランのランナーたちと同様に目につくようになり、一昨年の球磨川の水害を契機に明らかに見る目が変わりました。

今日は五木村や水上村、人吉市、美里町、水俣市、熊本市等々の県内各地のほか、鹿児島県からも参加されていました。問題意識の共有は確実に広まっているようです。今日も話題になったのは、「どうすればもっと山への関心を広めることができるのか」。この広大な山々を守り、私たちの暮らしを守るためには大きなムーブメントが必要です。先日は『天明水の会』の上流域での植林活動を紹介し、流域連携の重要性を取り上げました。熊本県には菊池川、白川、緑川、球磨川といった県内を東西に流れる一級河川が存在しています。点・線・面と、よく例えられることですが、一人ひとりの自然を愛する気持ちを、流域という線でつなぎ、それら流域同士を連携させることで面へと広げていく、夢のようで理想論なのかもしれませんが、情熱を持って取り組みたいテーマです。

しかし、山道を歩いて痛感したことは、私にはトレイルランはとても無理だということ(笑)。それでもこれを機会に、課題解決に向けて、彼らとしっかりとつながっていきたいと思っています。


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