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線状降水帯と災害

昨日、7月15日には、九州南部と九州北部の両地方に初めて『線状降水帯予報』が発令されました。

【線状降水帯(せんじょうこうすいたい)】
「次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる長さ50 ~300 km程度、幅20 ~50 km程度の強い降水をともなう雨域」(気象庁が天気予報等で用いる予報用語)

発達した積乱雲の通過・停滞に由来する自然現象であり、結果として非常に強い雨が特定の地域に長時間連続して降り続けると、大きな災害にもなりかねません。日本でこの用語が頻繁に用いられるようになったのは、2014年の平成26年8月豪雨による広島市の土砂災害以降とみられています。2020年7月の球磨川流域水害、2018年7月の西日本豪雨災害、2017年7月の九州北部豪雨災害などは線状降水帯によってもたらされたものであり、私が熊本市長時代に経験した2012年7月の九州北部豪雨災害も、おそらく線状降水帯によるものと思われます。

『線状降水帯予報』発令に伴い、県内各地には避難情報が出され、早めに避難所が開設され、暗くなる前の避難が行われることとなりました。確実にこれまでの幾多の水害を教訓としています。

結果的には、線状降水帯の発生には至らなかったようですが、それでも芦北町田浦地区では、一昨年の水害を想起させるような1時間に87.5㍉という猛烈な雨を記録しました。河川の氾濫にまでには至らなくても、道路の冠水や土砂崩れが各所で発生し、集落が孤立した地域もありました。

現在の『線状降水帯予報』は発生が予測される約12時間から6時間前に出され、的中率は4回に1回程度とのこと。この確率を高いと見るか低いと見るかは、意見の分かれるところかもしれませんが、線状降水帯が発生しなくても高い確率で大雨となることからも、十分に気をつけなければならない予報なのでしょう。

今日から3連休。熊本市には青空も見えてきました。熊本県内の新型コロナウィルス感染者数は過去最高を記録し、全国的にも第7波が到来しています。熱中症も含めて留意すべき点は多々ありますが、少しでも心穏やかに充実した時間を過ごしたいものです。


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