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奇跡の集落・西原村を訪ねて

熊本市の中心地から東へ20km、熊本都市圏と阿蘇カルデラ(南郷谷)の間、阿蘇外輪山の西側に位置する西原村は、私が好んでよく訪れる市町村のひとつです。俵山を少し登ると、熊本市一帯や有明海、島原半島や三角半島までも一望でき、その俵山や白糸の滝といった観光地はもちろん、おしゃれなカフェや美味しいお蕎麦屋さん、インテリア・ガーデンショップ、そして「何でこんなところにあるんだろう」と不思議がられる児童書専門書店等々、立ち寄りどころ満載です。昨日は、その中の1軒の、あるイタリアンレストランを訪れて、久しぶりにゆっくりとランチを楽しみました。

そんな西原村も、2016年の熊本地震では甚大な被害を受けました。隣接する益城町の死者20人(関連死を含めると45人)、南阿蘇村の死者16人(同31人)と比べると、西原村の死者5人(同9人)は、震度の割に少なかったこともあってか、両町村に比べて震災直後はあまり注目されることはありませんでした。ところが『奇跡の集落』とも呼ばれた同村の大切畑地区では、建物の約9割が全壊、倒壊した家に下敷きになった9人を、日頃から訓練を積んでいた地元住民の力によって、消防隊が到着する前に救助し、被害を最小限に食い止めました。そのことがわかると、共助の精神や防災意識の強い村として注目されるようになりました。

2022年8月1日現在の推計人口は6,531人 。1980(昭和55)年の 4,824 人から、2015(平成27)年の 6,802 人までは一貫して増加していましたが、2020(令和2)年以降は人口の減少が続き、2060(令和42年)には、2015年の 78.7% (5,353人)まで減少すると予測されています。(国勢調査及び国立社会保障・人口問題研究所の将来推計)

訪れたレストランも熊本地震でかなりの被害を受けたものの、見事に復活を果たされています。美味しい料理と気の置けないメンバーで話も弾み、あっという間の3時間でした。

西原村は「羽田空港からもっとも近い村」とも呼ばれているそうです。もちろん時間距離のことではありますが。草原の広がる新緑の時期もいいのですが、これからのコスモスやススキの時期も見ものです。観光で訪れるもよし、住環境にも優れた西原村は、これからも多くの人々を引き付けるに違いありません。私もまた、すぐに再訪するつもりです。

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