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命を守る~技術革新のある側面

児童虐待などで幼い命が失われるニュースに接するたびに、何とも重苦しい気分にさせられます。最近では、静岡県内の認定こども園で、3歳の女児が駐車場に駐められた通園バスの車内に置き去りにされ、死亡した事件。「水筒が空になっていた」「発見時、熱が40度ほどあった」と聞くと、「さぞや苦しかったことだろう」と胸が締めつけられるような思いでした。心からご冥福を祈ります。

その事件を受け、『もし車内に置き去りにされた場合』を想定して、園児たちがクラクションを鳴らす訓練の様子が報じられていました。確かに、とっさにそのことを思いつけば、尊い命が失われることはなかったのかもしれません。今回のことを教訓とするためには、一過性に終わらせることなく、継続的な訓練が必要だと感じました。また、もう一つの対策として、人の動きに反応するセンサーを車内に設置する動きもが進んでいます。ヒューマンエラーをカバーする取り組みとして、有効なのでしょう。

別のニュースでは、北海道釧路市で幼い子ども2人を自宅に半日以上放置したとして、保護責任者遺棄罪に問われた35歳の被告に、執行猶予付きの有罪判決が言い渡されたことが報じられていました。被告は今年6月、パチンコをするために外出し、生後4カ月と2歳の兄弟をおよそ13時間半にわたって放置したとして、保護責任者遺棄罪に問われました。生後4カ月の子は、その後死亡が確認されています。

その裁判の中で、被告は「見守りカメラを確認することで『命の危険はないだろう』と判断してしまった」と話したとのこと。あらためて『見守りカメラ』を調べてみると、高齢者用や子ども用など、たくさんの製品がネット上でも販売されていました。一般的にも、かなり普及しているということなのでしょう。

ただ、言うまでもなく、生後4か月と2歳の子ども2人を自宅に残し、半日以上もパチンコを打ち続ける、その行為自体が常軌を逸しているとしか思えません。だから有罪判決になったのでしょうが。被告の発言は単なる責任逃れなのかもしれませんが、見守りカメラに頼ることで子どもたちの危険が増しているとすれば、それは由々しき問題です。

デジタル化やAIなどの技術革新が進み、私たちの日常生活に欠かせないような製品も増えています。上手く利用すれば、効果的で効率的、リスクも軽減されるのかもしれません。一方、それに頼ることで、「私たちの意識の面で大事な部分が抜け落ちていないか」そういった自己点検も必要です。悲劇を繰り返さないためにも大事なことではないでしょうか。

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