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互いに支え合う共生社会の礎を

今日も新型コロナウィルス感染症の陽性者数は過去最多に迫る勢いです。そんな中で、昨日のnoteで紹介した『巣立ちセミナー』は実地からリモートに変更して開催されました。

私自身はボランティア初参加の上、不慣れなリモート開催。直前の打ち合わせでも不安を覚えながら臨むことに。今春には高校を卒業し、里親や児童養護施設からも巣立つ子どもたち。一人暮らしに必要な知識やスキルを半年間にわたり学ぶこのセミナーも、今回が最終回で、今日は大事な巣立ちの日なのです。

昼の休憩時間にネットニュースを見ていると、今日から始まった大学入学共通テストの様子とともに、試験会場で受験生を含む3人刺傷とのショッキングなニュースに目が止まりました。最初は外国での出来事かと目を疑いましたが、その会場は東京大学とあり間違いなく国内で発生した事件です。しかも、加害者は高校2年生のこと。被害者・加害者ともにセミナー参加者と同世代だけに、「止めることはできなかったのか」と、無念さとともにとても複雑な感情が込み上げてきました。

なんとか気持ちを切り替えて、午後のスケジュールに臨み、ほぼ時間通りに終わることに。私自身はスタッフのサポートを受けながらではありましたが、なんとか役目を終えることができました。子どもたちは金銭トラブルや年金手帳の紛失等といったトラブルの課題に対して、ネット検索や大人に聞くことで、次々に解決策を見出していきました。私たち大人は、解決策を教えるのではなく、調べたり考えたりすることを促す役割。そして困った問題に直面したとき、決して一人で抱え込まず、周りの人に相談しながら解決策を見出していくことを経験させることも重要な目的でした。子どもたちは見事にその目的を達成していたと思います。

新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響でリモート環境が発達し、とても便利になりました。今日のセミナーでも、スタッフやボランティアの中には県外から参加された人も少なくなく、リモートのなせる技です。一方で、モニター越しでマスクをされると、全く表情が読めず、リモートでコミュニケーションを図る難しさをあらためて実感することにもなりました。やはり新型コロナウイルスは人々の孤立を生み出す可能性を高めると気を付けるべきでしょう。

前述した刺傷事件加害者の行為は突発的なものであったのか、そうではなかったのか、詳しい原因はわかりませんが、もし悩みや苦しみを抱えていたとするならば、誰かに相談できなかったものかと思わざるを得ません。子どもだけでなく、大人だって、一人で生きていくことは難しく、誰かと支え合って生きています。孤立しているようで、実は誰かに支えられている場合だってあります。気が付いていないだけかもしれません。

あなたのことを思ってくれる周囲の人は、決して『うざい存在』ではなく、『かけがえのない存在』なのだと、素直に受け入れることのできる気持ちを広めていければ、きっと互いに支え合う共生社会を築く礎になることでしょう。

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