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イチローという生き方

最近、大リーグといえば大谷翔平選手の話題ばかりですが、大リーグや日米通算の記録を次々に塗り替えていった『イチロー』のことを忘れてはいけませんよね。

マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏。球団殿堂入りセレモニーで、久しぶりに活き活きとした彼の姿を観ることになりました。今回は球団の殿堂入りとのことで、長い歴史を有するマリナーズにとっては10人目。もちろん日本人初です。本拠地でのセレモニーの様子を見ていて、球団から、シアトルから、本当に愛され続けていることを再確認しました。イチローコールの鳴り止まない球場の雰囲気が伝わってきて、思わず鳥肌が立ちました。

大リーグの殿堂入りは、引退から5年経たなければ資格がないらしく、2025年には既に確実といわれているそうです。決して体格に恵まれているわけでもなく、「大リーグでは通用しない」との前評判を発奮材料に、金字塔を打ち立てました。途中、ヤンキースに移籍するも再びマリナーズに戻り、現役最後の試合は東京ドーム。試合終了後に引退を惜しむファンからの声援を受け、グラウンドを一周する姿も忘れられません。

現役引退後も会長付特別補佐兼インストラクターとしてマリナーズのユニフォームを着続けている彼が、セレモニーの中で選手たちに向けてこう語りました。

「現役の選手たちに言いたいことがあります。あなたたちの将来もまた、あなたたちが想像できないような可能性を秘めています。だから、自分自身に限界を設けず、ベストを尽くしてそれを大事にしてください」

「もし、日本から来た、痩せこけた小柄な男がこのユニホームを着て競争することができるなら、そして今夜この名誉を受けるためにあなたたちの前に立つことができているのなら、あなたたちにできないという理由は何もありません」

「もちろん、あなたたちは苦難やフラストレーションに直面することになるでしょう。私は知っています。私も毎年直面していたから。自分自身に限界を設けず、そういった日々の困難に打ち勝つという欲望と情熱を見つけなければいけません。それがあなたのポテンシャルを最大化する方法です。その後に、想像もできなかったことに到達することができるのです」

彼の言葉だからこそ説得力があります。もちろん誰もがイチローになれるわけではありませんが、イチローの言葉から、マリナーズの現役選手だけでなく多くの人々が勇気を得たものと思います。

「ピークを過ぎた」と言われても、45歳まで現役にこだわり続けてきた彼の生き方が好きです。そして引退後も、こんなにもチームから地元シアトルから愛され続けるのは、彼の人間的な魅力に他ならないのだと思いました。久しぶりに彼の存在に触れ、私にも勇気を与えてくれました。そんな彼のこれからの生き方にも、注目していきたいと思います。


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