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クリスマスイブに社会を憂うお話

「成長を前提とした社会の行き着く先は?」――どんな世界が待ち受けているのでしょうね。

国も地方も、企業も個人も、「成長なくして分配なし」。それを総理が突然「分配なくして成長なし」と、言葉を入れ換えたところでピンとくるはずもなく、成長なくしては生きていけないかのような感覚を抱いてしまいます。

日本の場合、バブル崩壊後の『失われた20年』の一つの原因がデフレにあるとして、『インフレターゲット2%』を目標にあらゆる施策を総動員してきました。それは世界の潮流に乗ろうとしたものでもありました。現時点での結果として、日本を除く先進諸国はほぼ達成し、急激なインフレを抑制しようと引き締め策に転じる国も現れる中で、日本は現在もシャカリキになって目標達成に邁進している・・・ように見受けられます。

成長=人口増ではないのでしょうが、日本は人口減少が止まらずに、現状では移民を受け入れる可能性も低いことから、生産性を上げるか海外展開で成長の果実を得るしか手がない状況。この構図は、世界から、日本国内、地方へとダウンサイジングしても、ほぼ同じです。

話を元に戻すと、『成長前提の社会の行き着く先』というよりも、既についていけない国や地域、人々はどうなってしまうのか、そこにもっと着目すべきだと思っています。

ここにきてSDGsが注目を浴びています。それこそ世界中で、国を挙げて、地域や企業、ボランティア団体などもその枠組みの中に取り込まれようとしています。SDGsが目指す『誰一人取り残さない社会』とは、崇高な『理念』ではなく、成長前提社会の歪みでもある格差拡大など、必ず解決しなければならない『課題』を表していると捉える必要があるのでしょうね。

実際に大きな枠組みとしては動きつつあっても、末端に行き渡るまでには時間を要し、最後まで行き渡らないところも生じます。そのことを考えれば、あの17色のバッジが、単なる『飾り』や『お守り』ではなく、それぞれの決意を示す刻印として取り扱われるようになれば、総理の言う『新しい資本主義』なるものも見えてくるのかもしれません。

クリスマスイブには相応しくない話題だったのかもしれませんが、オミクロン株感染拡大ときらびやかなイルミネーションの話題が同時に取り上げられる現状から、思わず書いてしまいました。

寒波の到来でホワイトクリスマスになるかもしれません。みなさま、どうぞよいクリスマスをお過ごしください。

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