社会的養護の子どもたちを支えるために
今日はこんな記事を見つけました。
https://news.livedoor.com/article/detail/21595862/
児童養護施設や里親の家庭で暮らす子どもたちが支援を受けられる年齢の上限を撤廃するというもの。現在は原則18歳、最長でも22歳で自立が求められますが、今回の児童福祉法改正により、年齢ではなく自立できるかどうかで判断するために、18歳の原則も、22歳の上限も取り除かれるというものです。
記事の一部を抜粋すると
「児童福祉法を改正して支援対象の年齢制限をなくす。継続的な支援が必要と判断した場合は、大人向けの就労支援や困窮者向けの給付金、医療機関につなぐまでの間、施設や里親の家庭、自立支援の為の専門施設などで暮らせるようにする。支援の必要性は、都道府県や児童養護施設等が連携して判断する」
「自立後の生活の相談に乗る専門職員の都道府県への配置を増やすほか、ケアリーバー(保護を離れた人)に生活費を貸し付ける事業を拡充するなどサポート体制を強化」
とあります。
社会的養護のもとで暮らす子どもたちは約45,000人(2018年10月現在)、毎年約2,000人が18歳となり自立を求められます。もちろんその後の人生は様々ですが、例えば大学や専門学校の進学率は児童養護施設児が約27%、里親委託児が約50%と全高卒者の約74%に対して極端に低くなっています(いずれも2019年5月1日時点)。そして中退率は平均2.7%に対して児童養護施設退所者の中退率は16.5%(2014~2018年)という調査結果もあります。また記事にもあるように、厚生労働省の実態調査でも、施設を出た後、5人に1 人が収入より支出が上回る『赤字』の生活を送っているとのこと。
そうした現状を踏まえても、必要不可欠な法改正であり、早期成立と実効性に期待したいと思います。ただこれまでも、22 歳までの措置延長は可能としながら、18歳で自立する人がほとんどでした。また児童相談所の体制強化や専門職員の配置も、これまでも何度か打ち出されながら、現状に追いついていないといった現実もあります。公的機関の体制強化はもとより、民間との連携、人材育成等も含めた受け皿整備は急務。制度を改正しただけでは解決されない課題があることをしっかりと認識しておきたいものです。
2022年1月も今日が最後。今月の私自身の経験でもっとも印象深かったのは、『認定NPO法人 ブリッジフォースマイル』による、熊本での『巣立ちセミナー』にボランティアとして参加したこと。この法人のことはnoteでも何度か紹介しています。このセミナーは、今春に高校を卒業し、一人暮らしを始める児童養護施設や里親の家庭で育った子どもたちに対して、自立後に想定されるトラブルの解決方法や自立後の継続的な支援などを提供するカリキュラム。不安を抱えていたり、あるいは何が不安なのかもはっきりしない子どもたちにとって、いざというときの備えにつながる大事な取り組みです。
国の制度改正を社会に浸透させるため、そして地域社会から国を動かす気概を持って、その一員である私は、これからもずっとこの問題に関わっていくつもりでいます。
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