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憎しみの感情より現実を直視

最近ではあまり聞かれなくなった「罪を憎んで人を憎まず」ということわざがあります。
私も「かくありたい」と心掛けてはきたものの、なかなかその域に達することはできず、最近では逆に憎しみの気持ちが強まったとすら感じています。

昨日は、遭難した知床観光船の運航会社の社長の、土下座から始まる記者会見を見ました。真相はこれからなので、断定的なもの言いは避けた方がいいのでしょう。おそらく故意ではないのでしょうし、まさかこんなことが起きるとも思わなかったに違いありません。それでも、当日の運航を決めた経緯や破損していた船舶の修理、無線や衛星電話など緊急時の連絡体制の不備など、少しずつ明るみになる事実に対する受け答えを聞いていると、悪天候が原因というよりも、人為的な事故と思えてなりませんし、憎しみに近い感情が湧き上がってきました。

ロシアのウクライナへの侵攻にしてもそうです。両者の言い分があるにせよ、ロシア大統領であるプーチンという一人の人物が銃爪を引いたことから、数多くの尊い人命が失われ、各地で甚大な被害がもたらされています。そして核兵器の使用までほのめかされるようになりました。

単なる誹謗中傷は慎まなければなりません。安易に罰する側に立ってしまってもいけないと思います。加害者と思われる人を糾弾することで、いつの間にか自分が加害者になってしまうことだってありますから。

これからも「罪を憎んで人を憎まず」を体得することは叶わないのかもしれませんが、今一度胸に刻み、憎しみの感情を極力抑えながら、目を逸らすことなく現実を直視していたいと思います。

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