研修旅行について

はじめに

 みなさまお久しぶりです。オカヤマでございます。師走も半ばを過ぎ、仙台でも雪の降る日が増えてきました。私は自転車通学なので日々突き刺さる寒さと格闘しております・・・。


今回の話題

 さて、今回は東日美における重要なイベントである「研修旅行」についてお話します。実際に物を扱う美術史では実物の観察は欠かせません。そして研修旅行では貴重な作品の数々を実際に観察することで、机上の勉強では得られない刺激をたくさん受けることができます。
 今回は私が感じた研修旅行の意義、そして今年の研修旅行の内容についてお伝えします。

研修旅行の意義

 私が今年研修旅行に参加して感じた意義は、
①    作品を間近で観察することができる。
②    疑問点を即消化できる。
③    普段見られないものを見ることができる。

 といったものがあります。

①    作品を間近で観察することができる。

 作品を近くで観察するのと図版やパソコンの画面上で見るのとでは、得られる情報量は段違いです。作品の大きさや素材、質感などを文字情報ではなく自分の肌感覚で得られるので、作品の情報をより強く記憶できます。
 また作品の魅力を強く感じ取ることができます。私はまだ審美眼、観察眼などに自信がありませんが、大きな仏像、大胆な筆致の絵画、精巧な彫刻を見て、非常にワクワクしました。純粋に作品の美しさから刺激を受ける経験は、大変貴重なものだと感じています。

②    疑問点を即消化できる。

 先述した通り、研修旅行では数多くの作品をじっくりと観察することができます。その中でいろいろな疑問が生まれてきますが、周囲には先生方や先輩方がいらっしゃるので、生じた疑問点についてすぐに尋ねることができました。そのため自分ひとりで観察するよりも深い学びを得ることができたと感じています。作品の見方についても、他の人と意見を交わしたり、教えを乞うことで、短い時間でも作品を観る力が成長するのを実感できました。

③    普段見られないものを見ることができる

 研修旅行では一般には公開されていない作品を観察する機会が何度もありました。貴重な作品の数々を見ることができて、緊張しましたが、非常にありがたく、貴重な経験となりました。

 研修旅行の魅力はまだまだありますが、今回は以上といたします。

今年の研修旅行について

 続いて今年の研修旅行についてお話ししたいと思います。
 今年の研修旅行では、10月23日(日)~10月26日(水)にかけて三重県を出発し、兵庫県まで向かう旅程でした。今回は一日目の前半部分までの内容をお伝えいたします。

22日

 今回の研修旅行は三重県亀山市に現地集合でしたので前日の22日に出発しました。
 仙台空港から飛行機で名古屋の中部国際空港に向かい、そこからは電車で三重県亀山市まで向かう予定でした。私は飛行機に乗るのは初めてだったので、少々浮足出す心地がしました。飛行機を降りるときにはシートベルトをうまく外せず慌ててしまいました・・・。助けていただいた隣席の方には感謝の念に堪えません。

仙台空港はきれいでした

慈恩寺

 翌23日の朝、はじめに訪れたのは三重県亀山市野村にある慈恩寺というお寺でした。こちらでは御本尊の阿弥陀如来立像を拝観しました。この阿弥陀如来立像は三重県でも数少ない平安時代初期の仏像で、県を代表する大変貴重な仏像だそうです。

慈恩寺外観


 本堂に入りますと、中央に安置されるお像が見えました。肉感が豊かで重厚感があり、厳しさを湛えた表情からも非常に力強い印象を受けました。像高は162cmほどですが、大きさ以上の迫力を感じ、身が引き締まる思いがしました。

 その後慈恩寺とも関係がある忍山神社を訪ねました。こちらは「延喜式」神名帳に登録される式内社で、日本武尊が東征に際し、忍山神社に立ち寄ったとされています。
 境内は木々に囲まれており、静謐な雰囲気にとても癒されました。

忍山神社

関宿

 続いて関宿に向かいました。関宿は三重県亀山市関町にある東海道47番目の宿場で、鈴鹿山脈の山裾に位置する交通の要衝です。現地は往時の街並みが保たれており、昔ながらの街道の雰囲気を感じることができました。通りを歩いていると、まるで自分が江戸時代の旅人になったかのような気分が味わえ、とても心が躍りました。
 また、西を望めば峻険な鈴鹿山脈がそびえ立っており、その存在感に圧倒されました。江戸時代の人々はここで鈴鹿越えの疲れを癒したり、逆に鈴鹿越えに向けて英気を養ったりしていたのでしょうか。自分があの山々を超えて旅をすることを想像すると、改めて関宿の重要性を感じることができました。

関宿から鈴鹿山脈を望む

 今回はここまでといたします。いかがでしたでしょうか。

さいごに

 今回は私が感じた研修旅行の意義と、今年の研修旅行の内容を一部ご紹介しました。次回も引き続き今年の研修旅行の様子をお伝えしたいと考えております。
 2022年も残り僅かですね。みなさまもお身体に気を付けてよいお年をお迎えください。


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