見出し画像

仮面ライダーオーズ本編を改めて見返してみた(1話)

はじめに

2010年9月5日の放送開始から12年!
仮面ライダーオーズ12周年おめでとうございます~!
…ということで、オーズ本編を改めて見返してみました!毎年見返すのが習慣になっていたので、そんなに久しぶりという感じはありませんが、放送当時の感動を思い出しつつ感想を書いていけたらと思っています。

1話「メダルとパンツと謎の腕」感想

・美術品強盗とグリード復活

いつも見返す時サラーっと見てしまうんですが、これ結局、鴻上さんはグリード復活を意図して起こしてるんですよね…?美術館の警備がザル過ぎたり、アンクのメダルとセルだけ棺の外に出てたり、後藤さんの第一声が「メダルが活性化をはじめました」だし…。それをむしろ待ってたんだな、という印象です。ライドベンダー隊員が普通に負傷というか下手したら亡くなったりしてそうなのに気にも留めず。鴻上さんの底知れなさを感じます。『迷惑おじさん』という一言で片付けられない欲望の持ち主だなと思います。

1話といえば、バースデーソングをBGMにグリードがライドベンダー隊を蹂躙していくシーンがやはり印象的です。恐ろしくもかっこいいです。不完全態なのにこの強さ。特にウヴァの人のさらい方が恐ろしい…!完全態であった期間がどのグリードも一瞬だったので実感しにくいですが、やっぱりグリードは恐ろしい存在ですね。

所変わって警備室。スヤァ…と寝てる警備員バイト映司…若い!!!
映司、演技面の話になってしまいますが、本当に最初から完成されてますよね。バイト代(タカコア)拾って服を脱ぐまでの所作がすごく自然で上手い…!!

寝ぼすけさんからの~ドリフのコントのように壁が破れて、アバンが終了。このOPの入り方、神過ぎますよね!!!1話のアバンでこの面白さですよ!!
あんなパンイチの状態で即、両手を上げることができるというのは、映司の経験がそうさせているんだなぁと、後から考えるとなるほどと言う感じです。改めて見ると、この短時間にあちこちにお話やキャラを構成する重要な要素がちりばめられていて…いや~~いい導入ですね!


・オープニング

当時「変身!」の声が入ったOPというのを初めて見たので、むちゃくちゃ新鮮でテンションが上がりました。
赤い布ごと比奈に抱きしめられるアンクを見て、当時は「お?この二人いい感じになるのか?」などと思っていたことが懐かしいです。当時の自分よ…そういう簡単なもんじゃないんだ…!

あと、私は2話のタコロード(タコ缶でできた道)がすごく好きなので、OPでタコロードを見ると毎週ニヤニヤしていました。将軍映画でも出たしな…タコロードよきです。


・職務質問をうける映司

「連絡先か~今日の宿も決まってないしな~」な映司。小銭とパンツだけ持った妙な男が職務質問をだらーんと受けているように見えますが、この男、一連の刑事さんとのやり取りの間ずーーっと手の中にタカコアを巧みに隠し持ってるんですよ!
「持ち物これだけ?」「そうですけど?」ってやりとりしつつ、むっちゃ拳の中とか、指の間に隠してる。バイト代だからまあ小銭みたいなものだし嘘は言ってない。でもちゃっかり隠してる。こういうことをさらりと冒頭でやってのけているあたり、映司のそつのなさが非常によくわかります。


・映司と謎の腕

タカコアを隠し持って刑事さんたちをかわしたわりに、持っていたことをすっかり忘れている映司。思えば、このバイト代(タカコア)に見せた一瞬の執着がなければ、これからの出来事も映司には降りかからなかったのかもしれませんね。

そしてコアを取り返すべく映司に忍び寄る腕アンク。
このフィルタがかかったような視界と濁った音…これがアンクが見ていた世界だったんですねぇ。。

「手貸してもらえません?今なら届くんで」
このさり気ないシーンでむちゃくちゃ重要な台詞!オーズのテーマ的台詞といえば、やっぱりこれですね。手が届く。手を伸ばす。
映司の後ろで比奈ちゃんに手を振るアンクが可愛いです。腕だけなのに明らかにおちょくっている様子がわかるのがすごい!
当時は自販機の下に小銭落ちたらまあそうなるよな…という感じでさらりと見てたのですが、これって、あの映司が誰かの手を借りようとする貴重なシーンじゃん…!と、今なら思います。
最初に手を差し伸べてくれたのが比奈ちゃん…とても素敵な縮図ですね。


・カマキリヤミーとの対峙

宝飾に疎いので、一億の指輪ってどんな指輪…?と当時から思ってます。(笑)

カマキリヤミーから映司(自分のメダルを持ってる男)を庇うアンク…理由はあるにしても、最初に手を伸ばしたのはアンクからだったんだなぁと、しみじみ。

当時、腕が叩きのめされる姿に「可哀想…」という感情を抱いたのは人生で初めてでした。今後の腕アンクの扱いを暗示するかのような、歯医者の看板に刺さる姿…コミカルで可愛いとすら思ってしまいます。
まだ次の話ですが、2話のタコ缶に突撃されて「いてっ」って言ってる時に、(この腕、けっこう可愛いのでは?)と思ったクチなのですが、1話からすでに腕アンクは不思議な愛嬌がありますね。

倒れている刑事さんを見つめ、決意を固める映司。
こうしてただ純粋に誰かを助けようとしている姿、真っすぐさが映司の魅力だよなぁとつくづく思います。トラウマなどこれから出てはきますが、根っこには純粋な思いがあるんですよね。

拳銃の撃ち方も手を添えて完璧!傭兵だったのか?なんて推測も、放送当時は飛び交っていました。
そして出たー!「朝からの長い付き合い」!これって、そんなに短い時間の縁を大事にする映司のお人よしを表現しつつも、

・朝知り合った人間が、夜にはいない世界で生きていたことがある
・長くても一日程度の接点の人間関係しか築かない映司の現状(一期一会の人付き合い以外を持たないようにしている)

…という、なんとも言えない面もあって、個人的にはそんなにポジティブな印象の言葉ではないんですよね。
本当にこの1話は、映司の一挙一動が彼がどういう人間かを表していて、その緻密さに見入ってしまいます。銃を撃てる…などのわかりやすい行動はもちろん、ちょっとした仕草や台詞の中に人となりが見える…というのがすごいです。
よほどプロフィールを固めていないとできないと思うので、まずキャラクターの人生年表を作る…という小林靖子さんののちの言葉に納得したものです。

・初変身!

投げ飛ばされた映司を掴む、腕アンク。アンクから差し伸べられた手。ここから、始まったんだなぁ~!
まず名前を聞いて、「映司!」って早速呼ぶのがいいですね。
純粋に助けようとしている主人公と、そんな彼を「馬鹿だ。使える」と利用する気100%の怪人。この圧倒的な違いがこの二人の…というか、怪人バディものの魅力ですよね!見ていた当時は、この歪なコンビに今後どういうドラマがあるのか…ワクワクでたまりませんでした。

「俺がこの手に握ってきたのは~」とドライバーをちゃっかりパクってきているアンク。前のオーズでの経験があるアンクだからこその行動ですね。
もし他のグリードが映司の相棒だったなら…?と考えたこともありましたが、多分、他のグリードが先に目覚めてもアンクのような行動に出なかったのでは…と今は思います。天敵であるオーズを利用してまで自分のメダルを集める…一歩間違えば自分のメダルを奪われてしまいますからね。
賢いカザリは一見やりそうに見えますが、オーズにつくという大胆な賭けには出なさそうです。

アンクはしかも一度失敗しているのに、またオーズドライバーを手にして自ら変身者を作っている。前回の轍を踏まないように、「ただの馬鹿」を選んで。アンクはこういうところが、最初から妙に人間みがあるというか、他のグリードとは着眼点、大胆さ、学習能力が頭一つ抜きんでているなぁと思いました。

「メダルを3枚ここにはめろ。力が手に入る」
何気なく言われた台詞でしたが、映司の欲しいものをまさに与えることになったんだなぁとしみじみ…。この時の映司は、それを欲しいと思っていたことさえ記憶から遠ざけて蓋をしていましたけど。
アンクは自分の利益のためだけに力を与え、映司もまたそれを利用することとなった。変身して力を振るうことそのものが、こんなにも映司の根幹に、そして映司とアンクの関係の礎になっている。

「俺が変身する!」…というオーズのキャッチコピー、開始当初はそんなにらしくないのでは?という印象でしたが、全て終わってみると「俺が」がやっぱり大事なんですよね。俺が変身、俺の力。どこまでも映司の欲望を感じるキャッチコピーだと思います。

(余談)映司は当時からFateの衛宮士郎に例えられがちですが、個人的には似てるとすれば「奇跡の力を手に入れた場合の衛宮切嗣」かなと思っています。救済の手段は正反対ですが、やりたいことは彼と同じですので。

「多少のリスクが何だ?ここで二人とも死ぬよりマシだろ」
「あっちこっち行ったけど、楽して助かる命がないのはどこも一緒だなぁ!」

出たー!!!なぜかここ最近オーズのテーマだと誤認されている台詞!
死ぬよりマシだろ?→楽して助かる~…のこの流れから改めて見ると、やっぱり「命助ける(助かる)には困難を伴う」って感じの意味なんですよね。
むしろ台詞が持つ意味うんぬんよりも、この台詞を言わせることによる映司の人物描写をした側面のほうが重要な気がします。
こういうことをさらりと言える環境を生き抜いてきた人間、ということを表すための台詞と言ってもいいかもしれません。

そしてたどたどしく初めての変身をする映司!
映司の変身に対して「馬鹿が」「ああ、期待通りのなぁ」…のカマキリヤミーとアンクの反応の差がいいですね。
「歌は気にするな」
これも言わずと知れた名言ですが、アンクが最初にこう言うので、ああそういうもんか…なんかわからんが歌がつくんだな、って思ってしまうだけで歌問題が終わるのが本当にずるいというか、うまいです。(笑)

タトバからのタカキリバ!メダルチェンジで早速トラメダルが入れ替えられていますが、入れ替えを見せていく以上、基本フォームでやるタトバキックはちょいちょい犠牲になりがちですよね。タトバキック好きなんですけど、あれ成功したの1回くらいじゃないかな…?

・憑依するアンク

スーツのアンク、レアですね!!!(笑)
アンクの髪型は、撮影当日にメイクさんと三浦さんが相談しながら作り上げたそうですが、あの髪型にするのに2時間以上かかるからメイク室は一番乗り(女性陣より早い)、ヘアカラーの維持にも相当気を使う(すぐに頭頂部が黒くなってプリンになりますし)…と、苦労の塊のようなエピソードを度々耳にしていたものです。この髪型で1年やり通して頂いて感謝しかありません。アンクの造詣のかっこよさ、美しさは三浦さんの努力の賜物ですね。

そして忘れてはならない、この瞬間にアンクは初めて人の身体の五感を知るわけですが、このスーツ姿の不敵な笑みの下では(空ってのはこんな色なのか…)(世界はこんなに鮮やかなもんだったのか)(この人間はこんな色してるのか)…とか、色々な初めてを感じていたということなんですよねぇ…。

総括

改めて見て思ったのは、1話の映司のキャラクター描写が濃い!
そして、台詞の一つ一つにキャラクターやこれからのストーリーを構成する大事な要素が緻密にちりばめられている、ということを噛みしめました。
いやー、やっぱりオーズ面白い!

以上、1話感想でした!
2話はいつになるかわかりませんが、また感想書けたらと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?