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2021.8.11 八月花形歌舞伎第一部 加賀見山再岩藤

本来は猿之助が六役早変わりをやるはずだったのが、猿之助コロナ陽性反応により初日直前に出演停止となり、なんと代役は巳之助丈!
なんの気無しに、お盆期間の非日常の贅沢、と思って手配していただいたチケットが絶対手放せないものに変化した。前日にワクチン2回目で副反応を気にしながらもそれにめげず歌舞伎座の検温ゲートもなんとかクリアして観劇。

とても4日で稽古したとは思えない、素晴らしい舞台でした。8月らしく、怪奇モノ。骨寄せの岩藤と言われる、加賀お家騒動の後日談。お家騒動の主役たるバカ殿。お家騒動の原因となる側女にすっかり形勢逆転された挙句、唆された臣下に暗殺される正室、バカ殿の忠臣を装い実はバカ殿を亡き者にと狙う悪漢、正室の忠臣、お家乗っ取りを企み処刑されたのに関わらず執念深く、亡霊となってまでお家転覆を狙う岩藤の亡霊。
この演じ分けはめちゃくちゃ見事だった。
ワンピース歌舞伎やナウシカ歌舞伎でも複数の役の演じ分けを巧みに演じて大きく株を上げたけど、思いがけず巡ってきたこの機会、もんのすごく魅せてくれて、もうそれだけでお腹いっぱいな感じ。何箇所か、え、どこで変わったか?という巧みすぎる演出箇所があり、そこにも目を見張った。

ストーリーとしてはなんてことない勧善懲悪で、大映ドラマも真っ青な因縁話が唐突に出てきちゃったりするのはご愛嬌。演出見てるだけでも十分に目の保養でした。大満足也。

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