見出し画像

2024.03.13 スーパー歌舞伎 ヤマトタケル 團子Vers

2月には隼人Versを堪能しましたが、今回は若干二十歳にして澤瀉屋を一身に背負うことになった團子ちゃんVers。
お客様は温かい。満席だった。

で、肝心のお芝居だが…
そりゃあ、貫禄では間違いなく隼人。ここ数年見てても、今回のヤマトタケル他、水滸伝、オグリでの堂々の主役たる名演もそうだし、マハーバーラタ助演も主演の菊之助の存在感を凌駕していた。
だが、團子ちゃんも負けてない!
明治座歌舞伎・平知徳講演中に事件により途中降板した当代猿之助の代役を、わずか1日の稽古で堂々とやってのけたし、水滸伝における隼人の相手役も大好演だった。
元々子役時代から納涼歌舞伎の弥次喜多に染五郎と一緒に何度も出てたけど、間違いなく團子ちゃんの方が良かったと思ってた。
さらに言えば身長180cmのスラリとした体型は隼人とほぼ同じ。
誰が見ても次代のホープたる彼が、澤瀉屋をの花形演目に満を持して主演。

一言で言えば
「真っ直ぐな熱演」
座長にして、主要キャスト最年少の團子ちゃんは、逆にその若さでまっすぐ直向きに全力でヤマトタケルを演じており、その鬼気迫る佇まいは隼人以上の迫力も随所にあったと思う。
また、ヤマトタケルの物語に流れるテーマに「親子相剋」というのがある。これを、父帝役にして、実の父親でもある中車と演じたことも感慨深いものがある。


おそらく、今回のヤマトタケルは、本当は隼人と猿之助で演るところだったんだろう。
だが、猿之助がああいうことになり、思いがけず團子ちゃんに大役が回ってきたけど、でも却って、チビデブの猿之助より、スラリとした若武者團子ちゃんが演じた方が全然いい。そして、このチャンスを存分に活かし切ったと思う。どうかこれからも頑張ってほしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?