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2019.06.24 六月大歌舞伎夜の部 月光露針路日本

一言でいえばお馴染みの大黒屋光太夫の話。伊勢から江戸に向かう途中で遭難、漂流の果てにロシアに漂着。極東から、帰国願いを得るべく遥々サンクトペテルブルクのエカテリーナ女帝に拝謁…など、あまりに有名な話を、三谷幸喜脚本で三谷歌舞伎としての上演。

芝居としてはとても見応えあるし面白かった。さすが超一流花形役者勢揃いで3時間以上の長丁場も飽きずに引き込まれた。主役の光太夫幸四郎以上に息子でもある磯吉染五郎がもんの凄くよかった。去年の東海道中膝栗毛ではまだ子供っぽかったのが僅か一年でここまで変わるか?ていうくらいにあっけにとられて驚いた。猿之助、愛之助も熱演。帰国を諦めた2人と光太夫幸四郎の別れのシーンは泣ける。

でも、これが歌舞伎か?と言われると違うし、どうしても要所で三谷幸喜の出たがりぶりが出てきて空気を壊してる部分があると感じた。これが、野田歌舞伎だったりするとそんなことはあり得ないし、新感線演出の阿弖流為とか、赤坂歌舞伎、あるいはワンピースやナルトでは、新しい創造から伝統へのリスペクトがあったけど、これにはあった、かな…?歌舞伎座でこれをやるならもう少し考えて欲しかった。新橋演舞場なら許されるけど。

そうそう、幕間に、贔屓筋に挨拶する愛之助夫人紀香を発見。黙ってれば本当に美人なのに、痛いSNS活動やめればいいのに…なんてね。

2021年1月の追記:鑑賞当時も書きましたが、本当に三谷幸喜の知ったかぶりしゃしゃり出る演出、これがなけえばもっと良かったのに。ものすごく面白くって感動しただけに、そこだけが本当に残念だった。

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