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2022.1.12 寿初春大歌舞伎 第1部

一条大蔵譚
あまりにも有名すぎる演目で私も見るのは2回目。
1回目の時は、当代幸四郎の襲名記念興行。そして、今回は、勘九郎。勘九郎丈が一条大蔵卿を演じるのはこれが3回目だとか。で、本当かどうか知らんが、シムケンの「バカ殿様」は、この一条大蔵卿がモデルだとか。後付け話っぽいけど。
有名すぎる演目なので、今更細かいストーリーを私が説明するまでもないので、知らない方はあとでググってね。典型的な時代物、かつぶっかえり話。
で、幸四郎の襲名記念興行の時にも私はレビューを書いていて、その時は確か、幸四郎もバカの役ができるのねぇ、みたいなことを書いていたと思う。

だがね、今回、勘九郎の一条大蔵卿を見たら、もう、段違いよ。圧倒的に、勘九郎の方が上手い。そして、実にピッタリしっくりくる。高麗屋は、先代も当代も、そして、未来の幸四郎たる、現在の染五郎も「二枚目」ではあるけれどね、「三枚目もできる二枚目」にはなりきれないわけよ。
だが、中村屋勘九郎は「二枚目もできる三枚目」としての本領を存分に発揮していて、バカさとシリアスさを実に自然に演じ分け、かつ、ぐいぐい引き込んでいった。もう、それだけでお腹いっぱいで大満足。

そして、お久しぶりに歌舞伎座で見た獅童。獅童の切れ味の良さと線の太さ、これも変わらず、すばらしかった。

ここのところ、私的に色々と苦しいことが多いなかだったけど、今日の芝居は存分に楽しめました。やっぱり、新春の演目はこういう楽しめるものじゃないと。
そして、浅草チームの夜の部は別日に観に行きます。ここには、推しの巳之助丈がいらっしゃる。楽しみ楽しみ。

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