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2021.11.17 赤坂大歌舞伎

廓噺山名屋浦里
越後獅子
宵赤坂俄廓景色

一幕目
廓噺山名屋浦里は、現代風に置き換えてみれば、給料ドロボー並に弛緩し堕落し切ったチャラい高官パリピが、田舎から出てきた愚直な高官を散々馬鹿にしていじめてたら、あっと驚くしっぺ返しを喰らう話。愚直な高官酒井が勘九郎、彼の心意気に惚れて一肌脱いだ高嶺の花の花魁浦里に七之助。
愚直で無骨物を演じさせた時の勘九郎の旨さはお手のもので、そのまっすぐさは応援したくなるし、真面目に頑張ってる人が馬鹿にされる空気がホントに許せなくて応援したくなっちゃうほどの感情移入してしまったが、それ以上にこの芝居ではいじめ役のパリピをあっと驚かせ平伏させた七之助浦里の美しさは煌々しいまでの匂い立つ美しさ。ここに惚れるし驚いた。
いじめ役の亀蔵の意地悪ぶり、廓屋の番頭=今でいう黒服の、お調子者虎之介の囃し立ても面白いしうまい。

二幕目は舞踏
越後獅子は勘太郎の1人舞台だが、初舞台の桃太郎から5年…しばらく見ない間に見違えるほど大きくなってびっくり。彼が20代目の勘三郎襲名するときに自分は既に旅立っていることだろうけど、早く成人した彼を見たくなった。
その後の宵赤坂はこれまでの赤坂歌舞伎を振り返っての、今後ますますの発展を願う舞踏。ここに出た長三郎はいかにも子どもらしい可愛らしさ。美しい絵巻を見るかのような素晴らしさに拍手喝采でございました。

思えば去年はコロナで赤坂歌舞伎、中止だったんだよな。
少しずつでも元の世界を取り戻さないと。

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