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2019.12.19 新作歌舞伎 風の谷のナウシカ


まず、白状すると、実はナウシカに関してはアニメ映画のうっすらした記憶しかないことをお断りしておきます。それもらんらんらららんらんらんのシーンしか覚えていないというあさはかさ。だが、劇場ついてまず筋書きを買ったら、実は映画は全7巻のうち2巻分でしかないこと、今回の歌舞伎は7巻分をちゃんと考慮した上での脚本であること、そして演出がNARUTOも手掛けたG2であること、これを知ったら、もう楽しみにしないわけにはいかないじゃないですか。そして、その期待通りの「歌舞伎」なナウシカだった。そして、久石譲先生のあの名曲も和楽器のアレンジでちゃんと表現されていたのにも感動。

それにしても、よくこの壮大なストーリーが歌舞伎になったなぁ、しかもこんなにも要所要所で完璧な演出で…ということにまず驚きを禁じ得ないシーンが連続。大道具さん、義太夫連中、長唄連中、歌舞伎独特の演出がどれをとっても最高にマッチしていたのにものすごく感動。そして、演者自体がナウシカという作品そのものを愛しその世界観を理解したうえで自分の役どころを咀嚼し存分に演じきっているのがみているだけですぐわかる。こんなの感動しないわけないじゃないの!といまだ興奮冷めやまぬ舞台でありました。

主演の菊之助丈は言うまでもないのだが、脇を固める人たちがこれまた素晴らしく、皇女クシャナ七之助の美しさと力強さはため息が止まらないほど見事だったし、大好きな巳之助丈の振り切りっぱなしのヒールぶりは最高。最後の戦いのシーンを舞踏で表現ってのが魂のぶつかり合いの最たるものですばらしかったんだけどそこでの歌昇と右近の本気なバトル、本当にいいものを見ました。今日はカメラ撮影があったから、これいずれDVD発売か、あるいはシネマ歌舞伎になるだろう。どちらも、見ますよ。

2021年1月の追記:これは、色々な意味で大変だったのを思い出します。まず、巳之助後援会さんから希望が殺到していてご希望通りのところの確約がいたしかねます、と予告があり、事実、第4希望日程でようやく決まったこと。かつ、その段になって初めて通し公演であることを知る問いお粗末ぶりで、後援会番頭さんから、お時間がどちらかしか取れないなら、夜にしておくと、最初に昼のあらすじを15分間やるのでそっちがいいです、と言われて夜にしていただいたり、実際夜の公演で昼のおさらいから始まったが、その後もものすごく長くて見終わったとにどっと疲れたりとか色々ありましたw シネマ歌舞伎で公開されてDVDもでましたね。DVDも改めて通しで見直しました。

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