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2022.11.18 平成中村座 唐茄子屋〜不思議国之若旦那

行ってまいりました。

実に3年ぶりの平成中村座。
…そーよね、コロナになってからは思う通りできなかったことがようやく復活、と。少しずつ元の世界に戻していかないとね。根拠のない尾身の妄言に右往左往されてはいけない。

てことは置いておいて。
平成中村座初の新作書き下ろし、しかも宮藤官九郎ということもあって楽しみに行ってまいりました。
元はと言えば落語を元にした人情噺、なんだが、そこになぜか不思議の国のアリスが絡むって、どーゆーこと?

荒唐無稽な設定ではあるが、まあそこは宮藤官九郎ですから、許しましょう。野田歌舞伎とかの幽玄を見るかの美しさとは別に、こちらは伝統にお笑いの要素と現代劇のテンポの良さを交えた歌舞伎風演劇、と思えばいい。意外な人が意外なところで出ていて、えーっ?となったがそれがまた絶妙な味になっていた。

勘太郎と長三郎が立派になったわ…ただ舞台に存在してるだけではなくて、ちゃんと芝居してる。アリスのモチーフを取り入れたファンタジックな第二吉原のシーンの主役は間違いなくこの幼い兄弟。しかも大立ち回りもきっちりこなす。将来が楽しみになってきたわ。

そして勘九郎七之助の2人も本当に達者。いつみても素晴らしい。勘九郎はシリアスな役をやらせてももちろんいいんだが、こーゆーアホな役をやらせた時のうまさは勘三郎にも並べると思う。

脇を固めた弥十郎と扇雀は安泰。

意外な面白さは新吾。
最終幕のヤンキーバカ息子役、あれ?こんなの新吾できんの?てのが意外すぎ、そしてそれがはまってるの。
女方が多くて、上背の高さを生かした凛々しい役が多かったけどあのヤンキーぶりは新境地。

それとびっくりしたのが橋之助。父ちゃんの芝翫は最近艶聞ばかりだけど、三田寛子の育て方が良かったのかあらあらこんなにお上手になられて。

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