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You are you / 氷川きよし

昨年のパピヨンに続くPOPS第2弾。インスタを見ると、すっかり「歩くカミングアウト」状態のキーちゃんですが、「レジリエンス」をテーマに「ありのままに生きる姿がうつくしい」というメッセージを詰め込んだ作品、とのこと(紹介文からの引用)

んー
正直に言えば、この作品は「期待はずれ」。
「これまでとは全く違う世界に羽ばたいていく」という意思がこもったパピヨンは冒頭からV系全開で、魅せる世界への傾倒を思いっきり漂わせつつ、持ち味である抜群の歌のうまさも遺憾無く発揮された(いきものがかりは優等生すぎて、今までのきよし君の曲を書く、という愚行を行った)ものだったけど、今回のは、前作の「いきものがかりの愚行」を真似たような、こじんまりした「歌謡曲」しか入っていない。
ありのままに生きる美しい姿って、結局は自分が世に出るきっかけになった歌謡曲をちょっと20年代ポップス系に歌うってことなの?違うと思うけどね。
それと、「ありのままに生きる美しい姿」というのなら、もう、歩くカミングアウト状態なんだから、このアルバムで思い切り告白しちゃえばよかったのに。You are you というタイトル、あなたはあなた。と呼びかけるなら、リスナーの側からしてみても、キーちゃんに対して「あなたはあなただ」と、まあ呼びかけるだろうし、その中で「ありのままに生きる姿が美しい」ということをいいたいのであれば、ありのままに生きる自分を曝け出せばいいのに、それをしている風情ではない。

つまり、この作品は前作からの第2弾という形を取ってはいるものの、中身としては「演歌歌謡曲路線の継承で、アレンジだけちょっとポップス寄り」てだけのことで、目新しさは何もなかった。そして、その極め付けは突然現れた「SEVEN DAYS WAR」のカバー。なんの意味があってやったのか、全く理解できない。

一つだけ期待通りだったのは、大黒摩季姐さんプロデュースによる「Glamorous Butterfly」。これは、姐さんらしさ全開の曲で、聴いてて気持ちよかった。だけど、姐さんこれだけ後押ししてても他の曲で「やっぱりぃ、でもぉ、いえなぁい」ってグズってる姿が見て取れる、そんな感じ。

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