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2021.11.10 吉例顔見大歌舞伎 第二部 寿曽我対面

演目はまあ説明不要と思われる古典の有名作で、これまでも何度も演じられているけれど、実は私は初見。今回は三津五郎追善公演として、三津五郎襲名時に演じた五郎=主役=を巳之助丈がやる、ということで、無理くりスケジュール合わせてきた。
五郎役自体は初役とのことだが、浅草歌舞伎でも演じられててその時にも出演してたとのこと、だとすると、単に俺がその時間帯の公演を見てなかっただけ?

三津五郎も天寿を全うとは言えない突然の旅立ちで、本当にもったいなかった。巳之助丈はそれもあって、なかなか陽の当たるところに出られないもどかしさもある。だけれども、着実に力をつけていって、立派な花形役者になったと思うし、浅草歌舞伎で見た傾城反魂香での全くセリフがない主演でも泣かせる演技だったし、ワンピースやナウシカでの複数役の演じ分け、そして、先日の加賀美山再岩藤で、わずか4日の稽古で猿之助の代演で六役演じ分けとか、本当にすごかったしますます応援したくなった。

て、あら、巳之助丈のことしか書いてないw ま、この演目は有名すぎるのでストーリーは今更説明しなくてもググればたくさん出てくるし、何よりストーリーよりも、歌舞伎の様式美をたっぷり堪能できるこの演目は、追善公演ということで湿っぽくなるんじゃなくて、閉塞的なところに少し出口が見え始めた昨今においての、清涼剤的な爽やかな美しい絵巻物を感じられればいいのではなかろうか、と。仇討ち話ではあるけれど。

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