見出し画像

2024.02.18 スーパー歌舞伎 ヤマトタケル 隼人Vers

1986年、2代目猿翁プロデュースでスタートしたスーパー歌舞伎第1作目にして最高傑作のヤマトタケル。こちら、86年以来再演を重ねてきたが、今回は2013年当代猿之助Versから実に11年ぶりの再演、しかも、ほぼ初演と同じ演出、かつ、キャストを大幅に若返らせての再演とのこと。

ストーリーについては、古事記にある、ヤマトタケル伝説にほぼ忠実、かつ、あまりにも有名なので、省略。
なんといっても!隼人のヤマトタケルの存在感とスケールの大きな演技が抜群によい。昨年の水滸伝、マハーバーラタ再演など、大役をこなしてきて急成長株だけど、舞台映えする体格と天性のイケメンぶりもあって、こういった伝説に残るヒーローものは特に映える。太刀回りも格段に上手くなったと思うし、もういうことないくらい素晴らしかった。
そして、もう1人素晴らしかったのが、弟橘姫米吉。可憐で、だけど心の奥底に芯の強さをもつ役柄を好演していた。

演出面では、最後のヤマトタケルの化身の白鳥が、大和の国へ向かって飛んでいくシーンは初演からあまりにも有名すぎてあえてここでは言わんが、それ以外のところで、草薙の剣伝説の元となった、焼津で炎に囲まれるシーン。ここは一見の価値あり。炎の動きを激しい舞踏で再現するこの演出は大変見応えがあった。

なお、ヤマトタケル役はwキャストになっていて、もうひとりが誰かといえば、将来の次代猿之助襲名を踏まえた弱冠20歳の團子ちゃん。團子ちゃんも猿之助の不祥事のあと、急遽明治座で代役を立派に務めたり、水滸伝では隼人に最後まで忠誠を尽くした若者兵の好演があったり、また、團子ちゃん自身、隼人とほぼ同じ背格好で非常に見栄えがする役者なので、こちらも楽しみ(團子ちゃんVersは3月にみます)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?