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2027.08.11 八月納涼歌舞伎 夜の部 狐花

京極夏彦氏が今回の歌舞伎に合わせて書き下ろした小説を歌舞伎化…つうか、新たな形のメディアミックス。これまでは既存の小説やアニメの歌舞伎化は色々あったが、全くの新作を活字と舞台で同時に…てのは歌舞伎では大変珍しいか、と。少なくとも私は初めて。
死んだはずの男が生きていた…?ミステリアスな展開で繰り広げられる妖しく、悲しみの過去が、真紅の狐花=彼岸花をキーに明らかになってゆく。

一応主演は幸四郎ということになってるけど、狂言回し的な役割で、実質的な主役は七之助。水も滴る美男と、死んだはずの美男に取り憑かれて魘される奥女中の二役の演じ分けがこれ以上なく素晴らしい。
そして、美男に引き寄せられてゆく米ちゃんの可憐さ、そのうちに秘めたる強さの表現も素晴らしい。
中盤以降の展開には釘付けになった。
序盤のもたつきだけちょっと残念。

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