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2024.06.02 六月大歌舞伎 夜の部

萬屋の襲名記念興行、つうことで大々的に売り出しているけど、実は私は見たかったのはそこではなくてw。夜の部の1幕目、南総里見八犬伝、でした。
つっても、自分の不勉強と教養のなさを曝け出してしまうが、里見八犬伝については、不思議な勾玉を持った8人の若者がお家再興のために揃い踏みする、って部分で、かつ、かつての角川映画(チャンリンシャン主演)でしか、見てない、という不届きものです。
(さすがに滝沢馬琴が著者であることは知っておる)

ただ、今回の里見八犬伝はまさにその勇士集結のシーンで、そこに推しの巳之助丈が出演、となれば見ないわけにいかないでしょう…ってことで、花道側の1等席から。
勇士集結のシーンは、美しいだんまりの演出で、暗闇の中、相手を伺いながら、やがて共通の勾玉を持つことから、勇士集結であることを認識し、全員が揃い踏みでの見栄を切る、という素晴らしいシーンで、巳之助丈初めとして、花形がみんな輝いて美しかった。1人を除いて。
その1人とは、堕デブ化がさらに進行した児太郎。ほんとにこいつは演技は棒だし、デブ化は進むし…福助が、泣くよほんとにもう。

さて、2幕目、3幕目と襲名披露で、あんまり興味がない、と言いつつも、やっぱり襲名披露に相応しい華やかさは見ていて面白かったし、美しかった。まあ、梅枝改時蔵は、相変わらず、顎が突き出ている以外に何か特徴あるのかしら…ではあったが。

で、時蔵改萬寿が当たり役としていた、魚屋惣五郎のおかみ役。
今回の3幕目の獅童の息子の披露興行では、七之助がおかみだったんだけど、相変わらずの上手さと安定感でいつ見ても惚れる。そして、獅童の総五郎もなかなか。菊五郎がすでにおじいちゃんなので、獅童の若さと荒々しさはさすがに菊五郎にはもう無理よね。
丁稚の役で、獅童の息子2人がお披露目だったけど、あのね、これは、数年前に見た、眞秀たんの方がはるかに上手だったし、可愛かったわ。わるくはないけどね。
それよりも、脇役ながら、魚屋の使用人役の萬太郎=新・時蔵の弟=がユーモラスで明るくて、実はこれが一番拾い物だったし、感じもよかったぞ、と。

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