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2021.2.12 二月大歌舞伎第1部

本朝廿四孝 十種香
泥棒と若殿

本朝廿四孝の「八重垣姫」が、歌舞伎の「三姫」と呼ばれる女型の代表的、かつ、至難を極める役どころというのを、初めて知りましてすみません(雪姫しか見たことがない)。
で、切腹させられた思っていた許嫁の武田勝頼が実は身代わりで、本物は今自分の目の前にいる男性だ、とわかった時の八重垣姫の情熱と恥じらいの舞は、確かに難役だろう…が、魁春がこの役をやるにはどうしても、ジジイすぎるんじゃね、という思いが先に立ってしまうダメな奴は私です。
個人的には、出てる役者が贔屓筋ということもあるんだけど、2幕目の「泥棒と若殿」こちらの方が見やすくし、感情も移入できた。山本周五郎の時代小説を下敷きにした、泥棒と幽閉された若殿の不思議な交流と最後の別れ。
別れのシーンは熱くなったね…万感こもった泥棒松緑の魂の叫びと、それに静かに抑えながらも応える静の巳之助丈。いいシーンでした。

残念なのは、今月は夕方の部の奥州安達原と連獅子に人気が集中しているせいか、こちらの午前の部は50%入場制限実施中とはいえどう見ても客入りは30%くらいの入り。
…もっと、こういうのも見てほしいと思うんだけどな。

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