(有料記事)CCUSモデル工事、これでは「適切な運用」ができません!

割引あり

CCUS運用のエッセンスだけを凝縮した「CCUS運用アンチョコ(仮)」を作成した、うめづでございます。
今日は、ニュース記事に「強い違和感」を感じたので、都道府県単位で内容を調べます。ご興味のある方は、有料記事にしますのでお買いいただければと思います。

さて、「強い違和感」って何よ?ですが、2月7日付の建設工業新聞に以下の記事があります。一部引用します。

北海道建設部/CCUS活用工事モデル工事対象拡大、舗装工事も対象に

2024年2月7日 行政・団体 [6面]
北海道建設部は、建設キャリアアップシステム(CCUS)活用モデル工事の2024年度実施要領をまとめた。
(中略)
モデル工事ではカードリーダー購入やカードタッチなどの費用は発注者が負担し、▽事業者登録=元請の登録▽管理者ID(現場管理者)登録=当該現場の登録▽技能者の就業履歴の蓄積=対象期間(登録完了日以降で準備・後片付け、休工日を除いた期間)の日数の50%以上蓄積▽アンケートの提出=工事完成までに発注者に提出-の4項目すべてを達成した場合、工事施行成績評定の創意工夫で1点を加点する。
(以下略、引用終わり)

さて、この太字部分が問題です。
この記事では、「管理者IDをCCUS登録したら、あとはカードリーダを現場に置くだけ」と読めます。
ダメです。
現場IDを登録しないと、技能者は「現場IDのない就業履歴を作る」ことになります。現場の職位も登録できないことから、実務経験になりません。これは「適切な運用」ではありません。

現場IDのない就業履歴に現場IDを後付けで紐づけるには、「就業履歴の現場IDの付与」って機能を使うんですが、これは技能者画面にしかありません。事業者はどこを見ればいいのか、さっぱりわからない状態です。
はっきり言って、とてつもなく労力を使うし、システム上は「事業者の怠慢」なのに技能者に作業負担を強いる。
間違いなく、職人さんから「おい、こんなことさせるなら金追加で出せよ!でないとボイコット!」くらい言われてもおかしくないです下手したら実力行使。そのくらいヤバいです。

これが、都道府県のルールを守ると発生してしまう。それはとても危険な状態です。今すぐ見直してください!もしくは、都道府県の予算で私に現場ID設定作業のお仕事をください(小声)

また、1月22日の建通新聞では、工事の7割近くで不適切運用があると建設業振興基金調べで判明した、という記事があります。

そこで、どのくらいの都道府県でエラーになるモデル工事条件設定をしているか、調べることにしました。2月7日時点で情報公開されている内容で調べます。

まず、先に「適切な運用」とは何か。それは、経審で加点される条件とイコールです。

  • 現場IDをつくる(CCUSでは「現場契約情報」と呼び、3つのエリアに分かれるが、一番簡易な「現場情報」があれば、経審で加点されます)

  • 現場IDで施工体制登録(下請企業の事業者ID、事業者IDがない場合は、会社名とその代表取締役を記入)

  • 現場IDで作業員名簿作成(もちろん、事業者IDがある会社の下に技能者がいる前提なので、CCUSの作業員名簿は登録済みのものだけまとまっていればよい。未登録者は、帳票出力でエクセルで手打ちなどをする)

とにかく、現場IDがなければ何の意味もない。アンチョコではこれがわかるようになってます。
現場管理者IDは、現場代理人や現場事務、あとは工事部門の役職者の人が登録するもので、無料で作れます。ただし、それ以上の意味は現場にとってはありません。工事ごとに新規設定する必要もありません!
管理者IDはそれの有料版(年11400円)だと考えればいいですが、工事ごとに作成せよって現場税かよっ!って話です。
極論、現場管理者IDがあれば、作業員名簿の編集だってできるので、有料の管理者ID作る必要、ほとんどないです。管理者IDは事業者登録で1つ作るもの、それ以外不要です。

で、北海道は本当にこの記事のように設定しているのか、ファクトチェック実施しました。

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