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「そうだ,弁護士になろう。」と思ったら予備試験!?


1.司法試験には2つの受験資格がある!


あなたが「司法試験に合格して弁護士になろう」と思ったら,
まず,2つのルートがあります。

それは,
①法科大学院を修了するコース
②予備試験に合格するコース

の2つです。

まず,司法試験には受験資格があるのです。受験料を支払えば誰でも受験できる資格試験ではない,ということを理解してください。

以上のような受験資格の根拠については,司法試験法の第4条に明記されていますので引用しておきます(太字は私が入れています。)。

司法試験法
(司法試験の受験資格等)
第四条 司法試験は、次の各号に掲げる者が、それぞれ当該各号に定める期間において受けることができる。
 法科大学院(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第九十九条第二項に規定する専門職大学院であつて、法曹に必要な学識及び能力を培うことを目的とするものをいう。)の課程(次項において「法科大学院課程」という。)を修了した者 その修了の日後の最初の四月一日から五年を経過するまでの期間
 司法試験予備試験に合格した者 その合格の発表の日後の最初の四月一日から五年を経過するまでの期間
2 前項の規定により司法試験を受けた者は、その受験に係る受験資格(同項各号に規定する法科大学院課程の修了又は司法試験予備試験の合格をいう。以下この項において同じ。)に対応する受験期間(前項各号に定める期間をいう。)においては、他の受験資格に基づいて司法試験を受けることはできない。

2.最短で合格するための予備試験コース

あなたが「そうだ,司法試験を受けてみよう」と思い立ったとしましょう。
それでは,「予備試験コース」で司法試験を受験するタイムフローを見てみましょう。


5月 短答式試験
7月 論文式試験
10月 口述式試験   
←ここまでが予備試験です
11月 予備試験合格  ←ここで受験資格ゲット

翌年
5月 司法試験 本試験   ←司法試験本番です
9月 司法試験合格
11月 司法修習〈1年間〉

翌年
11月 司法修習生考試(二回試験) 
12月 二回試験合格  ←約99%が合格する試験です
   弁護士登録

弁護士登録まで含めると全体で丸3年かかっていますが,対策が大変な試験に限れば予備と本試は1年の間で終わります

もちろんストレートですべて合格という理想的な想定での最短コースを考えていますが,予備試験に合格すれば5年間のどこかで本試に合格すればよいことになります。

では,
比較のために法科大学院(ロースクール)を修了するコースでの最短ルートを見てみましょう。

 5月 出願開始
 8月~11月 法科大学院入学試験
  法科大学院合格
翌年
 4月 法科大学院入学 1年目
翌年
 4月 法科大学院 2年目
翌年
 3月 法科大学院修了  ←ここで受験資格ゲット

 5月 司法試験 本試験
 9月 司法試験合格
 11月 司法修習〈1年間〉

翌年
 11月 司法修習生考試(二回試験) 
 12月 二回試験合格
    弁護士登録

長い!

法科大学院修了コースだと弁護士登録までは5年,法科大学院を受験する年から本試まででも既習で最短3年もかかります。既習プラス1年の未修コースだと最短でも4年です。

最短で弁護士を目指すのであれば予備試験に軍配が上がります。

3.そんな私は法科大学院コース

ここまで予備試験のメリットを説明してきましたが,私は法科大学院コースでした。
当時法学部で同様に法律家を目指していた人たちも軒並みロースクールに進学していましたので,当時の私としては王道の原則コースだと思っていました。(制度上もそうなっていると思います。)

当時予備試験の存在は知っていたと思います。
当時の私は法科大学院在学中に予備試験を受ければ2つ選択できて「お得じゃん」とよくわからない感覚でいたような気がします。

法科大学院1年目の在籍中に予備試験を受験しましたが,箸にも棒にも掛からず短答式で不合格でした。

今思えば,私には法科大学院コースが性に合っていたと思います。
2年かけてじっくりと時間をかけて勉強して,大学教授の授業を受け,司法試験のための準備できたことで合格できたと思っています。

しかし,法科大学院コースは時間のほかにも学費や教材に費用がかかるのは間違いないでしょう。
予備校を利用したり独自にテキストで勉強できる環境を整えることができれば予備試験コースは魅力的な選択肢に違いないでしょう。

最後まで読んでくれてありがとうございました。

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