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早期乳がん患者の骨密度と運動

Five-year follow-up results of aerobic and impact training on bone mineral density in early breast cancer patients
早期乳癌患者の骨密度に対する有酸素運動とインパクトトレーニングの5年間の追跡調査結果

Osteoporosis International https://doi.org/10.1007/s00198-020-05611-w Received: 7 January 2020 /Accepted: 25 August 2020
https://link.springer.com/article/10.1007/s00198-020-05611-w

この研究は、乳がん体験者の骨に対する運動効果の維持を評価しました。

乳がん治療は骨のターンオーバーを阻害して骨量を減少させます。早期閉経のエストロゲン不足は骨量減少を加速させます。

運動は閉経前後の骨量減少を抑制します。しかし、乳がんサバイバーの運動介入研究はされていませんでした。


この研究では、35歳~68歳までの573人が参加。アロマターゼ阻害薬VSタモキシフェンVS治療なしで無作為化して、閉経前の女性の年齢(45)で層別化されました。201人は閉経前で、243人は閉経後でした。ほとんどの対象者は5年間の研究追跡期間中に閉経しました。

身体活動は質問紙を通して評価。身体組成、aBMD(骨ミネラル密度)の測定は、ベースライン時・12カ月・3年・5年で行われました。aBMD、LS:椎骨1-4、左大腿骨頚部:FN、全股関節:THでデュアルエネルギーX線吸収測定(DXA)で測定。

結果:左大腿部頚部(FN)でのaBMDの変化は、運動群と対照群で有意差がありました。運動介入は、LS(椎骨1-4)aBMDの変化に有意な影響を認めませんでした。

骨折:1つの脆弱性骨折が閉経前の方18人、閉経後の人は38人報告されました。骨折患者は骨折のない患者よりも有意に高齢でしたが、内分泌療法・運動は骨折率と関連していませんでした。

身体活動:ハードな身体活動の変化は閉経前・閉経後の女性の間で、運動グループ・対照グループで有意差はありませんでした。

運動介入:運動群で閉経前の女性は歩行テストのパフォーマンスが大幅に向上しました。一方で、閉経後の女性には有意な影響はありませんでした。

結論:運動介入は身体能力を高める有益さはありますが、骨保護効果は介入2年後まで明らかであったが、その後のフォローアップ期間で失われました。この研究では、介入群の閉経前の女性は身体能力を改善することができましたが、閉経後の女性は対照群と比較して改善は見られませんでした。

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