2021年の国際女性デーに向けて
3月8日は国際女性デー
先週の3月8日は、International Women's Dayでした。
近年では、"国際女性デー"と、日本語での投稿も増えてきているようですね。
さて、International Women's Dayとは、どのような日でしょうか。私は、国連機関であるUN Womenの定義の通りに捉えています。
1. A time to celebrate and reflect on progress made on women's rights
女性の権利を讃え、その進展を顧みる時
2. A day to call for an end to gender inequality
ジェンダー不平等に終止符を打つことを呼びかける日
ですから、私は毎年、この日をとても大切に考えています。もっともっと、日本語の国際女性デーが英語のInternational Women's Dayと同じ温度感で浸透して欲しいと思っています。
そして、ジェンダー平等を切に願っています。
人を思いやる女の子に課せられる期待
アンジェリーナ・ジョリーさんの娘さん達は、この2ヶ月の間に立て続けに手術を受けられたそうです。娘さん達は、自分のことよりも相手を優先してお互いに助け合い、また、そうすることの喜びを感じたようです。
そんな彼女達を見て、誰かが「女の子らしいね」と言いました。私達はこれをどう感じるでしょうか?「そうだね」と同意するのではないでしょうか。
しかし、アンジェリーナさんは、この言葉がどれだけ乱用されているのか、ご存知でした。そして、このように寄稿しています。
The little girl is expected to take care of others. The woman she grows up to be will be expected to give, and care for, and sacrifice. Girls are often conditioned to think that they are good only when they serve others, and selfish or wrong if ever they focus on their own needs and desires.
"この小さな女の子は、他者の世話をするものだと思われている。彼女が女性へと成長すると、無償で与え、世話を焼き、自己犠牲することが求められる。しばしば女の子達は、他者へ奉仕した時にのみ好意的なイメージで受け止められ、彼女達自身の必要とすることや欲求に従えば、自己中心的であるとか、間違っていると見なされる。"
これは、昔ながらの「お母さん」像にピッタリ当てはまることに気付かされます。周りをよく見てください。あなたがこれまでにお勤めになった職場の中で、この像に当てはまる女性はいませんか?私は、たくさんの顔が思い浮かびます。男性が大半を占める職場のほうが、その傾向は顕著でした。また、男性社会を生きてきた女性のほうが、徹底的に主張を控え、抑圧的でした。
誰もが無意識のうちに、女性に対し「お母さん」像を重ねていて、その先入観を改めるためには知識や教養が必要なのだと思います。
女性に対して偏見があるのは、男性だけではない
国連からの最新の報告によると、90%近くの人々が女性に対して偏見を示しているそうです。男女別では、男性の91%、女性の86%が、女性に対して最低でも一つの偏見を示しています。しかも、この数字というのは、悪化しているようです。
毎年12月に発表されるGender Gap Index(男女平等指数)でも、最新の2019年の発表で、日本は121位と順位を下げました。
"国際女性デー"では、ジェンダー問題はどんどん解決されていて、男女が対等な社会になっているというようなニュアンスの、悪気のない記事も見かけました。しかし、現実は違います。先進的に取り組んでいる世界中の国々でさえ、それを実現した国はひとつもありません。私達の国はまだ、氷山に積もった雪を少し見ただけで、氷山の一角さえ見ることなく、その雪を溶かすことで問題解決しようとしているようにさえ見えます。
自分自身に対する偏見を含む、女性が同性に偏見を持っている事実が正しく認識されていないことも、問題の矮小化を招いているのかもしれません。
ジェンダー平等の実現には、あと257年かかる
私達は近い将来、ジェンダー平等な社会を実現出来るでしょうか。World Economic Forumに、それに関するレポートが掲載されています。教育、政治等、指標は様々ありますが、注目すべきが経済分野です。
In terms of economic participation, the gender gap will take 257 years to close.
経済分野において、女性が男性と同等の機会を得るまでに257年を要する。
なかなか絶望的な数字です。まるで、サグラダ・ファミリア。
この数字は、昨年の2019年では、あと202年と見込まれていたようですが、しかし、優れない進行状況を鑑みて、あと257年かかると大幅に改められたようです。言い換えれば、私達次第でこの期間を大幅に延伸することも、縮小することだって出来るということ。
このまま人生を終えないためには、もっと多くの人が、この氷山の存在に気づくことが必要だと思います。雪ではなく、氷山です。この調子で近い将来に解決する課題ではなく、このままでは257年かかる課題なのです。
と、この状況を変える貢献をするために、自分なりに出来ることを考え、この記事を書いてみましたが、今は Google 翻訳もありますし、日本語の外のこうした情報にも、良かったら触れてみてください。
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