#29 目を輝かせている人の世界が美しい / Beauty in the Eyes that Sparkle
「仕事の支配から脱却するべく、とにかく文章を書いてみよう」ということで、思いつくままnoteを更新し続けて…、
「どこかのタイミングで一度、傾向を振り返ってみようかな」
なんて考えながらウォーキングしていたら、
ふと記憶の奥から、何かが思い出されてきました。
見知らぬ誰かの会話が面白い?
あれは、まだ自分が20代の頃。
帰りの電車の中でずっと、友達と普通におしゃべりを楽しんでいました。
海外が大好きな自分らしく、世界中をあちらこちらへと飛びながら、独自の妙な視点でノリに乗って語っていたのだと思います。話題がシベリア鉄道に乗り込んだ頃、電車の中で突然、一人の男性に話しかけられました。
ずっと興味深く会話を聴いておられたこと、
そのまま去るつもりだったけど、話しかけずにはいられなくなったこと、
じっくりと話をしたく、良かったら連絡が欲しいことを話され、
怪しい者ではありませんと名刺を手渡されました。
記憶がぼんやりしていますが、
文化人類学あたりがご専門の大学教授の方でした。
正直なところ、私の方こそが、
そのご専門について話を伺ってみたいぞ、と思いました。
過大評価が申し訳ない
だけど、私は連絡をしませんでした。
帰りの電車でしたし、きっとお酒で酔っていたに違いない。
連絡なんかしてしまったら、あちらは詫びなければと思うに違いない。
確かにマニアックな話はしていたけれど、通りすがりの方に面白いと思っていただくような価値などなかったはず。
と、普通に結論付けて、今日まで忘れていました。
目を輝かせている人の世界が美しい
しかし、思い起こしてみると、仕事しかない人生に染まる以前は、会話をしているときにふと、目をキラキラと輝かせている人が時々いたな、という記憶がぼんやりと浮かんできました。
そんな面白いこと話せてたかなー?と今の自分が首を傾げます。
そうか、自分はつまらない人間になってしまったのか…、と昭和のおじさんみたいな言葉が頭をよぎります。
いや、ああいうのはきっと、20代までのボーナスタイムね…、
「若いのに」という年齢とのギャップ効果があったに違いない…、
とおばさん思考で考えます。
だけど…
それらは、全く以って自信過剰であって、
実際のところ、
私の話の内容なんてどうでも良かったに違いない。
ただ、当時の、独自の視点であちらこちらへと飛ぶ話が
たまたま良いインスピレーションになって、
きっと彼らの頭の中には、何か素敵な世界が拡がっていたんだろうなぁ…
と、振り返りながら思いました。
その世界を、少しで良いから覗いてみたかった、
耳を傾けてみたかったなぁ…、
と今になって思うのでした。
Beauty in the eyes that sparkle
錆びたネジを目の前に面白さを見出す、
あなたの世界が素晴らしい
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?