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間取りの考え方〜狭小住宅にする理由

アラフォー女性建築士の『さわ』です。
主に関西で住宅を設計しています。

おはようございます。
土曜日恒例『間取りの考え方』です。
最近『狭小住宅』のご依頼が続いていたので、ふと昔に完成したお客様を思い出しました。
そちらの間取りと合わせて『狭小住宅』について書いていこうと思います。

狭小住宅にする理由

『狭小住宅』とは明確な定義がありませんが、一般的には約15坪以下の土地に建つ建物をそう呼ぶようです。
私の場合もう少し広い範囲で使ったりもします。

『狭小住宅』を建てる時にお客様から
『私、狭小住宅を建てたいんです!』
とご依頼があるかと言われると大半はそうではありません。
では『狭小住宅』を建てる理由はなんでしょうか?

土地が狭い

一番多い理由はこれだと思います。
建替える土地が狭い。
購入希望している土地が狭い。
狭くても立地や条件的にそこの土地がいい。
などなど
狭くてもその土地で建てる理由があるときです。

予算を抑えたい

家を建てる時に坪単価で価格が決まるのですが、
家の大きさ=坪数 × 単価
なので家の大きさを抑えれば建築予算を抑える事が出来ます。
(ある一定規模以下になると下らない場合もあります。)

その為、予算を抑える為に建物を小さくすることがあります。

この二つが主な理由だと思います。

こだわりの狭小住宅

今回ご紹介する間取りは実家の横に約13坪の空き地があって、その土地を活用したいのと趣味の多い男性がマンションでは収納しづらいアウトドア用品などを収納したり作業できる家を建てたいとご依頼のあった物件です。

こだわりの狭小住宅の間取り

間取り図をみたらどう感じますか?
やっぱり狭いなって感じますか?

『狭小住宅』の間取りは小さければ小さいほど万人受けではなく、建てるその人だけの為に書きます。

この間取りは玄関がいらない代わりに1階のLDKの半分は土間にして、趣味のサーフィンやアウトドアグッズを収納できるようにすること。

土間のイメージパース

ユニットバスはマンションと同じ小さいサイズでOK、脱衣所も不要。
でもしっかりクローゼット収納と個室の広さは確保。

他の人からするとそれは嫌だなと思う事も、建てる人がOKならOKな間取り。
『狭小住宅』は小さくて全部の希望が収まらないからこそ、建てる人のこだわりの間取りになるのだと思います。

実際に建てたこだわり

実際に建った家はこんな感じ。

土間リビング

あとから施主様が自由に棚を造作できるようなっています。
天井にもサーフボードなど収納できるように造作梁を造りました。

オリジナルキッチン

キッチンも建物間口が狭くシステムキッチンが収まらなかったので、シンプルなステンレスキッチンを造りました。
小さくてもカッコよさ重視でリンナイのドロップインコンロを採用。

鉄骨階段

リビングの鉄骨階段の下はテレビ置場です。
少しでもリビングを広く使える様に鉄骨ができるだけ小さく納まる階段を相談して造りました。

階段上部も活用

廊下をできるだけ広く使える様にアイアン手摺で圧迫感を無くしました。
同じくアイアンで階段上部にハンガーパイプを造りました。
室内干しやクローゼットとして使えます。
少しでも空間を利用できる工夫をしました。

さいごに

地域柄私は『狭小住宅』を設計する機会が多いのですが、こういたこだわりある『狭小住宅』を造るのは楽しいです。
『狭小住宅』だけに限らず、お客様だけの間取りを考える時が一番この仕事をしていて楽しい作業です。

さて今年もこの『間取りの考え方』も残すところあと1日です。

今年最後の12月31日の『間取りの考え方』はしっかり書きたいと思っています。
何を書こうかな・・・

今年も最後までよろしくお願い致します。
今週もありがとうございました。

左巴建築設計事務所 さわ。

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