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間取りの考え方~完成反省会

アラフォー女性建築士の『さわ』です。
主に関西で住宅を設計しています。

こちらの住宅は2022年11月1日よりモデルハウスとしてオープンしています。
詳しい建物情報はこちらです。
気になる方はお気軽にお問合せください。

本日は毎週恒例『間取りの考え方』ですが。
今週は以前記事にもした間取りが完成しプロ写真も上がってきたので実際に完成した建物写真をみながら反省会をしたいと思います。

今回反省会をする間取りはこちらの記事で書いた『間口の狭い狭小住宅』です。

間取り図

こちらは私がお世話になっている工務店のモデルハウスとして建築しました。
大阪市内でなかなかどうにもならないぐらい敷地が狭く尚且つややこしかったのが道路斜線です。

間口の狭い狭小住宅

車庫の出入口の南側と東側に道路があります。
東側が4mと狭い道路幅員の為、道路斜線が厳しい敷地でした。
道路斜線が厳しいと天空率を使用して回避するのですが、道路斜線が厳しいから天空率が有利なわけにもいかない土地があります。
この土地がまさにそう!!

道路斜線で検討すると間口をもっと狭くしなければいけない。
しかし、天空率で検討すると奥行きを狭くしなければいけない。

どっちもしたくない!!
間口を狭くするとそもそも階段やキッチン、水廻りなど最低限必要な住宅の機能部分を小さくしなければいけない。
また奥行きを狭くしたら、無駄に前後土地のスペースができ活用方法も少ないのに部屋は小さくなる。

で、結局どっちもしない為に建物の高さをかなり低めに抑えました。
それ故に色々現場で工事進めるなかで問題もあったのでその辺りと間取りそのものの反省をしていこうと思います。

3階の間取りの反省点

高さをかなり抑えた事で全てのフロアーに影響が出てはいるのですが一番影響が大きかったのが3階です。

3階の間取りの反省点

1室は主寝室、もう2部屋は子供室の想定で将来二部屋に分けられるようにしたかったのですが・・・
道路斜線を交わすために道路側を桁落ちの勾配天井にしたためかなり天井が低くなり・・・
その部分を廊下にするにも納まる建具がない!!
三角の建具を造る案も出たのですが・・・
部屋を広く使える事、変更できる自由さを残しつつ2部屋想定の大きい一部屋にしました。

3階子供部屋

一応真ん中は区切れるように垂れ壁を造ってはいるのですが、そのせいで三角屋根で天井を高くしたのが伝わりにくくなりました。

桁落ち部分はご希望なら備え付けのデスクを造ったり、オープンクローゼットを造る予定です。

2階の間取りの反省点

2階はワンフロアーLDKの間取りですが、階段を真ん中に持ってきた事でリビングとダイニングキッチンを分断する間取りになりました。

2階の間取りの反省点
ダイニングキッチン

間口が狭いのでキッチンは縦置き、キッチン廻りを周回できるようにしてできるだけ動線が混線しないようにしました。

ダイニング側から見るリビング

LDKを分断したことは吉とでるのか?!実際にオープンハウスをしてみないと反応は分かりませんが。

リビングから除くダイニング

家具を入れてもらい、現場でイメージした時に分断はしたけれど扉を付けなかった事でどちらにいてもお互いを認識できる程よい空間の別れ方は個人的には好きです。

あとは・・・
空調問題とリビングトイレ問題ですね。

2階トイレ

一応その問題に対応できるようダイニング側はあとから建具を付けられるようには考えて施工しています。

1階の間取りの反省点

1階は水廻りとファミリークローゼットが集合しているのですが、ここもあえて洗面所と室内干しスペース、クローゼットを区切らずに造りました。
理由は家事動線がスムーズにいくように扉の開け閉め回数を減らしたかったからです。

1階の間取りの反省点

問題は湿気やにおい問題かなと思って今回天井に『エアイー』なるナノイー発生機を付けてみました。

果たして消臭効果はいかに!?住んでみてもらわないと効果が分からないところです。

洗面所と洗濯干し場とクローゼット

他にも湿気対策で洗濯物干し用ハンガーパイプ上に電動開閉できる窓も取付けました。
換気扇と窓をしっかり使ってあとはサーキュレーターで洗濯物が乾く事を願うばかりです。

実際に暮らしてみないとこの間取りが使いやすいのか一番心配な部分ではありますが、私個人の意見だと洗面所が広く使えるし裸で服を取りに行けるし、洗濯物も一室で完結するズボラさは最高だと思っています。

あと1階はかなり階高を下げました。
天井高さも2300少し切るくらいで構造計算をして一番大きな梁下いっぱいで天井納めた結果・・・

玄関・シューズクローク

梁をよけないとダウンライトが入らない問題。
ユニットバス規制サイズ入らない問題。
などが勃発しました。
実際完成したらそこまで低さは感じないのですが、工事途中に色々問題発生した1階の天井高さでした。
想定できなかった汗

玄関やシューズクロークは一段下がるので天井低くても問題ないだろうと階段下に造ったシューズクロークはそれでも低かったです汗
ないよりはましぐらいに思ってほしいコンパクトシューズクロークです汗

狭小住宅だけれどゆとりを

大阪市内で3階建て狭小住宅で狭さだけが際立つ家にはしたくなかったので色々と扉を取り払ったり狭小住宅だけれどゆとりを感じれる間取りにしました。

その一つがエントランス部分です。

エントランスのガーデニング

駐車場と玄関の間のポーチ部分に植栽を植えました。
本当ならここをシューズクロークにして収納力を上げたいところですが、モデルハウスなので少しの贅沢をしたくあえてこの間取りにしました。

大阪市内で敷地が限られているなかで家を建てると隣地との空きもほぼなく、玄関開けてすぐ道路!という家も多いです。
だからこそ無駄と思えるスペースを造ることで狭小住宅は我慢を集めた家だえでなく、ゆとりを感じて欲しいと造ったのがこのエントランス部分です。

さいごに

敷地に余裕があったらこんな事はしないのだけれど・・・
という間取りではありますが、私は地域柄小さな敷地で間取りを造ることも多いです。
その中で普通ならしない事で間取りにゆとりや使い勝手のよさが生まれればいいなと思って日々間取りを考えています。

まぁ工事中は現場から納まらない事件でお叱りも受けた家ですが、色々反省はあるものの結果的にいい感じでは!?と思っています。
この家が暮らしにあう家族に買ってもらえたらいいなと思います。

モデルハウスの詳しい情報を知りたい方は直接メールにてご連絡ください。
場所は大阪市東成区、最寄り駅は大阪地下鉄新深江駅から徒歩約5分です。
お問合せメールアドレス sawa@beans-company.co.jp

今週もありがとうございました。
来週もよろしくお願い致します。

左巴建築設計事務所 さわ。

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