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間取りの考え方~うなぎの寝床な家

アラフォー女性建築士の『さわ』です。
主に関西で住宅を設計しています。

さて今週の間取りの考え方は明日が土用の丑の日にちなんで
『うなぎの寝床』な家の間取りについて書いていこうと思います。

うなぎの寝床

間口が狭く、奥行が深い京の町家の代名詞。間口は2間(3.6平方メートル)前後、奥行10~12間が大半という記録(16世紀末)もある。起因は平安以来の宅地割りが東西に長い短冊形だったためなど諸説もある。しかし、表から裏まで通り庭を貫き、並行して居間、坪庭などを造る町家は、間仕切りを外せば風通しよく、夏も涼しい。表構えを慎ましく、内に繊細な美意識を秘めた町衆の心をあらわしているとも。

京都観光Naviより

京都に限らず私の実家も店をする土地はできるだけたくさんの商店が並ぶよう間口が狭く奥に細長い土地になっている事が多いです。

そんな土地に住宅を建てた場合のどんな間取りになるでしょうか?

プラン1 中庭をつくる

間口が狭く奥行きの長い土地で間取りを考えるポイントは建物の中心部分の採光の確保と風の通り抜けです。

大抵の土地が隣地に建物が建っているとして、隣地側に窓を取るとのが難しいのでどうしても建物の中が暗くなってしまいます。

そこで中庭を作る間取りを考えました。

プラン1 中庭を作る

中庭を作る事で奥のリビングも手前のダイニングも採光を確保でき南北に風の抜けも作れます。

しかし・・・
平面図では分かりにくいのでパースも一緒に

客間ダイニング

ちょっと変わった考え方で書いた間取りなので、手前のダイニングはあくまで玄関土間からお客様を招き入れる応接間的ダイニング。

普段の生活動線は玄関⇔シューズクローク⇔キッチンとなる為、キッチンで人の動線が混雑しそうです。
天気が良ければ中庭を通る動線もいいけれど・・・
(有名な住吉の長屋のように・・・)

という理由で却下されたプラン1です。

プラン2 吹抜けをつくる

というわけで、中庭をあきらめて吹抜けを作る事にしました。

プラン2 吹抜けをつくる

中庭の代わりに、階段を外壁側に寄せて吹抜けをつくり2階の窓から採光を確保する間取りです。

二方向動線

シューズクロークを通って買い物をした物は直接キッチンへ、来客や人の出入りはダイニングからと二方向動線になることで先ほどの動線の悪さが改善されます。

外観

ただし中庭が無くなった事で建築基準法の採光を確保する為に正面に大きな窓を作る事になったので敷地が大通りなどに面している場合はもう少し考える必要があります。

玄関上部にも大きなFIX窓を設けて玄関も明るくなるようにしました。

さいごに

うなぎの寝床な家の間取りはいかがでしたでしょうか?
都心部ではこういった細長い土地も多いので参考になれば嬉しいです。

さて明日は土用の丑の日です。
うなぎをいただいてこの暑さを乗り切りたいですね!

今週もありがとうございました。
左巴建築設計事務所 さわ。

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